【業績でみる株価】レオパレス21は18年3月期微増益予想だが増額余地

 レオパレス21<8848>(東1)は単身者向けアパート開発・賃貸事業を主力としている。18年3月期は営業微増益予想だが、第1四半期の利益が計画超であり、通期予想に増額余地があるだろう。株価は年初来高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。なお9月28日に自己株式消却(10月31日予定)を発表している。

■単身者向けアパート開発・賃貸事業が主力

 単身者向けアパートを中心に建築する開発事業、および建築したアパートを運営する賃貸事業をコア事業としている。単身賃貸住宅管理戸数は国内首位の約57万戸である。賃貸事業が売上高の8割を占め、安定的な収益が見込めるストック型ビジネスモデルを推進している。

■18年3月期微増益予想だが1Q利益計画超で通期予想に増額余地

 18年3月期通期の連結業績予想は売上高が17年3月期比3.7%増の5400億円、営業利益が2.6%増の235億円、経常利益が0.6%増の225億円、純利益が30.4%減の142億円としている。

 第1四半期(4~6月)連結業績は売上高が前年同期比1.9%増収、営業利益が23.2%増益、経常利益が32.9%増益、純利益が25.5%増益だった。売上高は賃貸事業、開発事業、シルバー事業が順調に伸長して、概ね計画水準だった。賃貸事業は法人需要が旺盛で、入居率が好調に推移した。売上総利益率は前年同期に対して1.3ポイント、計画に対して1.7ポイント上回り、営業利益、経常利益、純利益とも計画を超過達成した。保有不動産の売却による減損損失は税効果でカバーした。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.8%、営業利益29.6%、経常利益30.7%、純利益39.1%と利益進捗率が高水準である。また10月2日発表の月次データによると、17年8月の入居率は89.88%で前月比0.13ポイント上昇、前年比2.10ポイント上昇、受取家賃ベース入居率は92.79%で前月比0.09ポイント上昇、前年比1.38ポイント上昇と、いずれも順調に推移している。通期利益予想に増額余地があるだろう。

■株価は調整一巡感

 なお9月28日に自己株式消却(1076万1400株、消却前発行済株式総数に対する割合4.08%、消却日17年10月31日予定)を発表した。8月31日に終了した自社株買いで取得した1076万1400株を消却する。

 株価は8月4日の年初来高値837円から反落し、9月5日に753円まで調整する場面があったが、その後は800円近辺で推移して調整一巡感を強めている。10月2日の終値は782円、今期連結予想PERは14倍近辺、時価総額は約2060億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線近辺で下げ渋る形だ。調整一巡して反発が期待される。(MM)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■歯周病の進行抑制に向け、老廃物除去と免疫調整の2軸で研究  ライオン<4912>(東証プライム)…
  2. ■バリア性能と印刷適性を両立、2030年までに10億円売上目指す  大日本印刷<7912>(東証プ…
  3. ■胃がん・大腸がん対策で「Train the Trainerプログラム」を展開  オリンパス<77…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  2. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…
  3. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  4. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…
  5. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  6. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る