【編集長の視点】ディスコは高値肉薄、単独売上高の2期連続過去最高を手掛かりに業績上ぶれ着地期待

編集長の視点

ディスコ<6146>(東1)は、250円高の1万2120円と急反発し、3月16日につけた年初来高値1万2960円に肉薄している。同社株は、これまで前2015年3月期業績を四半期決算の開示のたびに3回上方修正し、配当も同じく3回増配してきたが、前日1日大引け後に前期第4半期(4Q)の単独売上高と通期売上高の速報値を発表、通期売上高が、直近予想を上回り2期連続で過去最高を更新したことで業績上ぶれ着地期待を高めて買い再燃となっている。すでに内外の証券会社が、相次いで目標株価を引き上げてきたこともフォローの材料となっている。

■精密加工装置が増加して通期単独売上高は直近予想を50億円オーバー

同社の業績開示方法は、4半期別の単独売上高の発表から始まって、四半期連結売上高・単独業績、連結業績の各発表のスケジュールで続くが、目下集計中の前2015年3月期は、これがすべて過去最高となって、3回の前期業績の上方修正につながった。4Q単独売上高は、289億3600万円と前年同期比29.3%増、前第3四半期比較では26.2%増となった。このため通期売上高は、1081億2000万円(前々期比26.2%増)と2期連続の過去最高を更新するとともに、直近の通期予想を50億円、4.9%上回った。

精密加工装置では、アジア地域を中心に半導体メーカーが期末にかけて徐々に設備投資を積極化し、精密加工ツールも、季節的に客先の稼働日数の減少はあったものの、為替の円安の影響などがあったことが上ぶれ着地につながった。このあと、同社は、4月22日に4Q連結売上高・単独通期業績、5月12日に3月通期業績の発表を予定しているが、前2015年3月期業績は、今年2月の再々上方修正値を変更せず、売り上げ1206億円(前々期比14.9%増)、経常利益247億円(同41.6%増)、純利益182億円(同50.6%増)と予想、純利益は、連続して過去最高を更新する。

■25日線で配当権利落ち後の下値を確認し再び上値チャレンジへ

株価は、昨年11月の業績再上方修正が再増配を伴ったことで1万円台に乗せ、今年2月の再々上方修正・再々増配、内外証券の目標株価引き上げなどで昨年来高値1万2960円をつけ、配当権利落ち後に25日移動平均線で下値を確認している。高値抜けから上値トライに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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