【編集長の視点】DIシステムは反落も踊り場業績を織り込み再来期の高成長業績をテコに突っ込み買い妙味

ディ・アイ・システム<DIシステム、4421>(JQS)は、前日8日に71円安の1572円と3営業日ぶりに反落して引けた。イランが、イラク国内の米軍基地を報復攻撃した中東の地政学リスクの高まりを警戒して、日経平均株価は、370円安と全面安となったことから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が優勢となった。ただ株価は、25日移動平均線水準はほぼ維持しており、下値には突っ込み買いも交錯した。今2020年9月期業績が、過去最高更新の前2019年9月期業績から2ケタ増収・2ケタ減益転換と予想されたが、これは先行投資負担による踊り場となるためで、来期、再来期はこの先行投資効果で高成長する見込まれることが買い手掛かりとなった。テクニカル的にも、ストップ高を交えてつけた昨年9月の直近高値1908円から20%超下落し、日柄も4カ月目に入り、値幅・日柄調整の一巡感を強めていることもフォローの材料視されている。
■今期2ケタ減益の営業利益が2022年3月期には2.2倍へ高成長

 同社は今2020年9月期から3カ年の中期経営計画を推進している。「コンピュータ関連業務を通じて無限の夢を創造する、無限の夢を実現する組織であり続ける」とのビジネスミッションを達成するため、今2020年9月期は先行投資期間と位置付けている。働き方改革の基盤整備のために、IT技術を活用したリモートワークの実施など労働環境のフレキシブル化に取り組むほか、採用活動や営業範囲の拡大に向けて大阪事業所オフィスを増床するとともに横浜サテライトオフィスを新規開設、人的リソース集約化と販路拡大を進め競争力を強化する。

 このため今2020年9月期業績は、売り上げ45億2200万円(前期比17.3%増)、営業利益1億3800万円(同41.4%減)、経常利益1億3500万円(同38.3%減)、純利益9400万円(同39.5%減)と見込まれ、増収減益転換する。売り上げそのものは、2018年10月の新規株式公開(IPO)効果で知名度、信頼度が向上し新規顧客の獲得、既存顧客との取引が拡大するとともに、利益率の高い元受け比率が高まることが要因となるが、利益は、先行投資負担で減益転換となる。

 ただ中期経営計画では、今期は踊り場期間と位置付けており、この先行投資が業績寄与する来期、再来期は高成長を計画している。具体的に2021年9月期は売り上げ50億円、営業利益2億2300万円、2022年9月期は売り上げ57億円、営業利益3億400万円を目標にしており、2022年9月期の営業利益は、今期見込み業績に対して2.2倍と高成長する。

■昨年9月高値からの値幅・日柄調整の一巡感を強めて全値戻しを目指す

 株価は、昨年8月に光通信<9435>(東1)の同社株保有が明らかになってストップ高を交えてつけた9月高値1908円まで500円高、その後は1500円下位を下値、1600円台央を上値とする150円幅のボックス相場を続けてきた。値幅的には昨年来高値から20%超の下落、日柄的にも3カ月経過と値幅・日柄調整の一巡感を強めて、今期の減益転換業績織り込み済みとなって底値買いが続いている。9月高値からの調整幅の半値戻しの1700円台クリアで弾みをつけ全値戻しを目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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