【注目銘柄】前田工繊は続落も梅雨前線活発化で9月期通期業績の上方修正を催促し押し目買いも一法

注目銘柄

 前田工繊<7821>(東1)は、前日20日に30円安の3455円と続落して引けた。日経平均株価が、2万8000円台を出没して膠着感を強めていることから、5月18日に年初来高値3555円をつけた同社株にも目先の利益を確定する売り物が続いた。ただ5月11日に梅雨入りした九州南部地方などで、梅雨前線が活発化して5月として記録的な大雨となり、平年で6月7日となっている関東甲信地方の梅雨入りも間近で、局地的集中豪雨による土砂災害、洪水などを防ぐ同社の土のうなどの盛り土補強材需要が高まるとして今2021年9月期通期業績の上方修正を催促する展開も想定され、これを先取りし押し目買いも一法になりそうだ。同社は、今年4月21日に今9月期第2四半期(2020年10月~2021年3月期、2Q)累計業績を上方修正したが、9月期通期業績は、期初予想の据え置きとしており、9月期通期業績の上ぶれ観測が強い。

■防災用資材に加え避難所用の感染リスク低減の間仕切りシステムも焦点

 同社の今期2Q累計業績は、期初予想より売り上げを1億7100万円引き下げたが、営業利益を8億7200万円、経常利益を9億500万円、純利益を5億1800万円それぞれ引き上げ、売り上げ216億7800万円(前年同期比横ばい)、営業利益31億1200万円(同10.0%増)、経常利益31億4500万円(同5.3%増)、純利益21億1800万円(同5.4%増)と期初の減益予想が増益転換した。公共工事向け製品の自社製造比率が増加し、アルミ鍛造ホイールを製造する子会社のBBSジャパンで、国内自動車メーカー向けOEM供給やアフター市場向けが好調に推移したことなどが要因となった。

 今9月期通期業績は、今後の経営環境や受注状況を注視し修正が必要な場合は速やかに公表するとしたが、期初予想を据え置いた。売り上げ430億円(前期比9.2%増)、営業利益51億円(同12.9%増)、経常利益51億円(同10.0%増)、純利益37億円(同19.8%増)と増益転換を見込んでいる。今後の受注状況で注目されるのは、土砂災害、洪水発生に伴う防災用資材の動向で、これに加えて同社が展開している新型コロナウイルス感染症向けの医療・衛生資材の上乗せも期待される。とくに昨年6月に発売した抗ウイルス効果が確認された不織布「ボナレックス」を使った立体間仕切りシステム「スプリトップルーム」は、出水期の自然災害発生時に自治体が設置する屋内の避難所向けを想定しており、災害避難と感染リスク低減との両立を可能とする。

■高性能マスク、M&A、増配、業績上方修正と続き上値チャレンジ

 株価は、昨年9月に同社の高性能サージカルマスクがAmazonで発売されたことで2950円高値をつけ、今年2月のエスケー電気(北海道苫小牧市)の子会社化、「ボナレックス」の新型コロナウイルスへの抗菌性確認で3400円へ上値を伸ばし、今期配当の増配、今期2Q累計業績の上方修正、松屋アールアンドディ<7317>(東マ)との資本・業務提携と続いて年初来高値追いとなった。投資採算的には割安感は乏しいが、材料株人気を拡大させ上値チャレンジに弾みがつこう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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