【決算ニュース】エスプールの第2四半期は新事業でスマートメーター業務の準備進む

■東京電力から受注しこの8月から単月で黒字化の見込み

 物流アウトソーシングや人材サービスなどを展開するエスプール<2471>(JQS)の2015年11月期・第2四半期決算(2014年12月~15年5月、連結)は、新事業として東京電力<9501>(東1)から受注した電力計の交換・スマートメーター設置業務の開始に向けた準備の四半期となった。スマートメーター事業は15年7月に開始。この初期投資約1億5000万円の大半が4月から6月に発生。また、8月に予定する本社移転の減損損失などの移転費用もあり、売上高は前期比6.2%増加して34億3800万円と好調だったものの、経常利益は前期比76.8%減の2700万円となり、純利益は1400万円の赤字となった。

 ただ、スマートメーター事業は、約2年間での売上高が約24億円。プロジェクト利益は約10%を想定。事業開始に向けては200名を超える人材を新たに採用し、研修や事業所14カ所の開設などを行った。8月から単月での黒字化を見込み、16年3月以降は初期投資などを含めた累計でも黒字化する計画だ。第二期以降の受注に向けても積極的に取り組む方針で、「新たな成長ドライバーとして主力3事業に続く4本目の柱にする」としている。
■コールセンター業務は上期の売上高が35%増加

 主力3事業は、ネット通販の発送代行や物流センターの運営代行サービスなどを行うロジスティクスアウトソーシング事業、コールセンター向け派遣や携帯端末の販売支援などを行う人材アウトソーシング事業、障がい者雇用支援サービス事業で、連結売上高の90%強を占め、一部に期ずれ要因はあったが好調に推移して売上高6.2%増を牽引した。

 下期の事業方針は、新事業のスマートメーター設置業務に万全を期して傾注するとともに、
主力3事業でのコアマーケットの深耕などを進め、新規事業の育成と合わせたポートフォリオ経営を推進するとした。

 ネット通販の発送代行業務は物量の増加が傾向的に続き、現在、自社センターでは満床状態というケースが出ているため、下期は保管効率の高いコスメ、雑貨商品などの取り扱い強化に取り組むなど効率化を進める。

 コールセンター業務は第2四半期の売上高が35%増加するなど、売上高、収益とも期初計画を上回る展開となっており、下期は派遣法の改正効果などを一段の飛躍の好機として推進する。北海道や東北、九州など、地方を中心に拡大が続いている。

 人材紹介サービスは首都圏を中心に上期の売り上げが倍増となり、企業の直接雇用ニーズなどに対応するとともに収益性の向上に引き続き注力する。

 11月通期の連結業績予想は、第1四半期決算を発表した4月下旬時点に比べて売上高を
3%近く増額修正して75億1800万円(前期比では13.8%増)の見込みとした。経常利益は上記のスマートメーター設置業務にかかわる初期投資の集中が主な要因となり、前回見通しを34%ほど下方修正しての1億4000万円(同26.8%減)とし、純利益もこれにスライドする形で6600万円(同59.7%減)を見込む。

 配当は前期6期ぶりに復活し、11月期末一括方式で10円を実施した。今期も10円を継続の見込みとし、「来期以降は新事業の寄与や主力3事業などの推移を見ながら上乗せも考えていきたい」(同)とした。

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