ソフトクリエイトホールディングスは23年3月期1Q減益だが通期増益予想据え置き、自己株式取得も発表

(決算速報)
 ソフトクリエイトホールディングス<3371>(東証プライム)は8月2日の取引時間終了後に23年3月期第1四半期連結業績を発表した。積極的な先行投資で人件費や広告費が増加したため減益だが、売上面はECソリューション事業、ITソリューション事業とも拡大して2桁増収と順調だった。そして通期の増益予想を据え置いた。EC市場は拡大基調であり、企業のDX投資は高水準に推移することが予想される。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお自己株式取得も発表している。株価は6月の直近安値圏から切り返して戻り歩調だ。目先的には第1四半期の減益を嫌気する動きが優勢になる可能性があるが、自己株式取得も評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期1Qは先行投資で減益だが2桁増収と順調

 23年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比11.6%増の54億96百万円、営業利益が12.2%減の7億91百万円、経常利益が7.1%減の8億83百万円、親会社株主帰属四半期純利益が5.1%減の5億36百万円だった。

 積極的な先行投資で人件費や広告費が増加したため減益だが、売上面はECソリューション事業、ITソリューション事業とも拡大して2桁増収と順調だった。経常利益(前年同期比0.7億円減益)の増減分析は売上総利益増加で+1.0億円、人件費増加で▲1.6億円、広告費増加で▲0.6億円、その他の経費減少で+0.5億円だったとしている。

 セグメント別に見ると、ECソリューション事業は売上高が11.4%増の30億69百万円でセグメント利益(全社費用等調整前経常利益)が2.3%減の7億88百万円、ITソリューション事業は売上高が11.7%増の24億26百万円で利益が10.1%増の5億77百万円だった。

 売上高の内訳は、ECソリューション事業ではECサイト構築(ecbeing)が20.4%増の21.8億円、デジタルマーケティングが13.0%減の6.3億円、ECクラウドサービスが18.8%増の2.6億円、ITソリューション事業ではセキュリティ・インフラ構築が15.6%増の12.1億円、ITクラウドサービスが15.9%増の4.5億円、ITパッケージが2.1%減の4.0億円、IT機器販売が11.7%増の3.6億円だった。

 ECサイト構築やECクラウドサービスへの投資需要が高水準に推移し、ECソリューション事業ではECサイト構築「ecbeing」やECクラウドサービスが拡大した。企業のDX投資も高水準に推移し、ITソリューション事業ではセキュリティ・インフラ構築や子会社エイトレッド<3969>のワークフローサービスが拡大した。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比10.5%増の234億60百万円、営業利益が2.7%増の41億40百万円、経常利益が2.5%増の42億65百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が4.5%増の24億70百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の40円(第2四半期末20円、期末20円)としている

 需要が高水準に推移して増収増益予想としている。製品機能強化・充実のための開発費の増加、知名度向上のための広告宣伝費の増加、積極的な人材採用に伴う採用費の増加など、先行投資を考慮して小幅増益にとどまる見込みとしているが、保守的な印象が強い。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.4%、営業利益19.1%、経常利益20.7%、親会社株主帰属当期純利益21.7%だった。やや低水準の形だが、クラウドサービスの拡大などで下期に向けて利益の積み上げが予想される。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り歩調

 なお自己株式取得を発表した。上限12万株・5億円で、取得期間は22年8月3日~22年9月30日としている。

 株価は6月の直近安値圏から切り返して戻り歩調の形だ。目先的には第1四半期の減益を嫌気する動きが優勢になる可能性があるが、自己株式取得も評価して上値を試す展開を期待したい。8月2日の終値は4130円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS194円62銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の40円で算出)は約1.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1036円93銭で算出)は約4.0倍、時価総額は約569億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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