セーフィー、映像×AIの交通量調査サービスのテスト販売を開始

■交差点の工事現場で実証実験を経て、効率的な工事計画の立案やコスト削減を実現

 クラウド録画サービスシェアNo.1(※1)のセーフィー<4375>(東証グロース)は16日、セーフィーの多彩なカメラ製品とデータ解析用のAIエンジンを組み合わせた交通量調査サービス「Safie Traffic Survey(セーフィー トラフィック サーベイ)(※2)」のテスト販売を開始したと発表。

■サービス開始の背景

 昨今、自治体や企業では、道路の建設計画や修繕・維持管理をはじめ、イベントの開催、施設の建設など、道路に関連するさまざまなプロジェクトにおいて、基礎資料として「交通量調査」の手法が活用されている。交通量調査は、車両の通行量を定量的に取得し、道路における交通状況を把握でき、交通の効率性や安全性を向上させるために不可欠な手段となっている。近年では、EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング)の考え方も重要視されるようになり、客観的なデータに基づいた理論的かつ効率的な道路整備や都市開発などに注目が集まっている。そのような中、一部の工事は既に機械観測に移行しているが、地方自治体の管轄する一般国道や都道府県道では人手を活用した目視での観測が約6割(※3)と多く、観測員の確保が困難であったり、調査員が事故などに巻き込まれるリスクも叫ばれている。

 一方、国土交通省の「ICTを活用した新道路交通調査体系検討会」により、2021年度の交通量調査の方針として、原則として目視による人手観測は廃止し、AI解析やビデオ観測などの機械観測を推進する案(※4)が示され、当年の秋季には、現地に調査員を派遣せずCCTV画像(※5)を活用したAI解析による観測が実施(※6)された。これらの動向から、人員の主観に左右されないデータ収集が可能となるほか、定期的な調査を間隔をあけずに実施しやすくなる。

 セーフィーでは、このような背景のもと、2020年10月から交通量調査のためにクラウドカメラの映像データを他社の映像解析交通量調査サービスとシステム連携してきた。また、ICT活用による安全施工、生産性向上に向けた取り組みを展開しているゼネコンの株式会社奧村組様とセーフィーは、2022年4月に、奥村組の工事現場で既に活用した屋外向けLTE搭載クラウド録画型カメラ「Safie GO(セーフィー ゴー)」を用いた映像をAI解析する交通量調査の実証実験を実施した。

 従来の手法では、調査員を手配し、目視によって通行車両台数を計測、集計のうえレポート化するなど、多くの費用と工数がかかっていた。また、調査員がすぐに手配できるとは限らず、急な調査ニーズに対応しづらいほか、費用を考えると調査回数を簡単に増やすこともできない状況だった。そこで、工事現場に設置してある「Safie GO」2台の画角を調整し撮影した映像をAI解析することで、これまでの知見やノウハウを随所に生かしたソリューション提供に繋がった。

 同実証実験を経て、カメラ選定からレポート提供までワンパッケージとして提供することの可能性を感じ、「Safie Traffic Survey」のテスト販売を開始することにした。同テスト販売を通して、ユーザーのニーズを収集し、正式なサービスとして提供する調査対象の範囲やレポート内容などを整理する想定。

(※1)テクノ・システム・リサーチ社調べ「ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査(2022)」より、エンジン別カメラ登録台数ベースのシェア(56.4%)
(※2)今後、サービス名称は変更の可能性があります
(※3)国土交通省「道路交通センサスのデータ収集の現状と課題」
(※4)国土交通省「令和2年度全国道路・街路交通情勢調査の延期について」(2020年10月14日発表)
(※5)Closed Circuit Television System、閉回路テレビシステムのこと
(※6)ICTを活用した新道路交通調査体系検討会 令和3年9月 CCTVカメラ(AI解析)の精度に関する報告

■サービスの特徴

 交通量調査サービス「Safie Traffic Survey」は、セーフィーの知見を活かし、多彩なラインナップを揃えたカメラ製品、データ解析用のAIエンジン、セーフィーによるサポートを組み合わせたサービス。現場で活用する上でより適切なカメラ選定や画角調整、AIの解析設定、AI解析精度の担保、データ解析に向けた映像の切り出しと加工、解析結果の出力、必要な形式に変換して集計するまでの一連のプロセスをワンパッケージとして提供する。

 AI活用のハードルになりがちな作業を専任スタッフが代行することにより、実施者は簡単・迅速に調査に関する成果を得ることができ、交通状況を加味したイベント開催や土木工事の施工計画の立案、都度の改善への活用が可能。既に「Safie(セーフィー)」のサービスを活用している場合、既設の防犯カメラを活かし投資を抑えた交通量調査を実施することができる。

 また、交通量調査にかかる手間・コストが軽減されることで、単発ではなく定常的な交通量調査を実施し、施工計画の効果検証がしやすくなる。今回、テスト販売の提供を開始した交通量調査だけでなく、人流解析などメニューの拡張を踏まえ、顧客の変わり続けるニーズに応えるサービス開発を進めてまいくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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