ベステラは24年1月期2Q累計赤字、通期利益予想を下方修正

(決算速報)

 ベステラ<1433>(東証プライム)は9月8日の取引時間終了後に24年1月期第2四半期累計連結業績を発表した。売上面は大型の進行基準工事の順調な進捗で大幅増収だが、利益面は一部の低利益率工事や積極的な人材投資などの影響で赤字だった。そして通期予想については売上高を小幅に上方修正したが、各利益を下方修正した。ただし各利益とも黒字転換(23年1月期は赤字)を確保する見込みとしている。老朽化プラント解体工事の増加などで中期的に事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。株価は6月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性があるが下値限定的だろう。

■24年1月期2Q累計赤字、通期利益予想を下方修正だが黒字転換確保

 24年1月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比31.4%増の33億28百万円、営業利益が61百万円の損失(前年同期は58百万円の利益)、経常利益が9百万円の損失(同1億28百万円の利益)、親会社株主帰属四半期純利益が28百万円の損失(同59百万円の利益)だった。

 売上面は進行基準工事の大型案件の順調な進捗で大幅増収だが、利益面は前期に受注した一部の低利益率工事や積極的な人材投資などの影響で赤字だった。

 プラント解体事業の売上高は32.6%増の32億13百万円、営業利益(全社費用等調整前)が9.7%減の4億38百万円だった。大型の進行基準工事の順調な進捗で大幅増収だが、一部の低利益率工事の影響で減益だった。完成工事高の業界別構成比は電力12%、製鉄37%、石油・石化37%、ガス2%、3D2%、環境9%、その他1%(前年同期は電力12%、製鉄29%、石油・石化29%、ガス3%、3D2%、環境16%、その他9%)だった。

 受注工事高は3.3倍の88億22百万円で、期末受注残高は89億60百万円となった。受注残高の業界別構成比は電力17%、製鉄47%、石油・石化31%、環境5%(前年同期は電力22%、製鉄14%、石油・石化28%、ガス13%、環境13%、その他10%)となっている。

 その他事業(人材サービス事業など)の売上高は4.5%増の1億15百万円、営業利益が18.6%増の31百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高15億37百万円で営業利益が35百万円の損失、第2四半期は売上高が17億91百万円で営業利益が26百万円の損失だった。

 通期の連結業績予想については、9月8日付で売上高を上方修正、各利益を下方修正して、売上高が23年1月期比46.6%増の80億円、営業利益が2億10百万円(23年1月期は2億15百万円の損失)、経常利益が2億86百万円(同94百万円の損失)、親会社株主帰属当期純利益が1億95百万円(同64百万円の損失)としている。配当予想は据え置いて23年1月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。予想配当性向は90.7%となる。

 前回予想に対して売上高を2億円上方修正したが、営業利益を3億円、経常利益を3億円、親会社株主帰属当期純利益2億05百万円それぞれ下方修正した。先行して進捗している大型工事の利益率が受注時の営業施策の観点から低利益率だったことに加えて、一部の工事が赤字となったことも影響する見込みだ。ただし各利益とも黒字転換(23年1月期は赤字)を確保する見込みとしている。老朽化プラント解体工事の増加などで中期的に事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は6月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形だ。目先的には下方修正を嫌気する動きが優勢になる可能性があるが下値限定的だろう。9月8日の終値は1079円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS22円05銭で算出)は約49倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS493円97銭で算出)は約2.2倍、そして時価総額は約97億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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