KDDI、シスコ、富士通が電力使用量を約40%削減した通信網を開始

■IPレイヤーと光伝送レイヤーの融合で低消費電力と高速化を実現

 KDDI<9433>(東証プライム)、シスコシステムズ合同会社、富士通<6702>(東証プライム)は31日、IPレイヤーと光伝送レイヤーを融合したメトロネットワークの本運用を2023年10月1日に開始したと発表。このネットワークは、機器数を減らし、オープンインターフェースを採用することで、電力使用量を約40%削減し、容量拡張が容易になるという。

■電力消費量を大幅に削減したメトロネットワークを商用化

 5Gサービスの普及や動画などのデータ量が多いサービスの利用者の増加により、通信量が急速に増大している。これに伴い、CO2削減への取り組みが重要になっており、KDDIは2030年度までに事業活動におけるCO2排出実質ゼロを目指している。また、通信量の増大に対応するためには、設備を迅速に拡張することが必要である。

 本メトロネットワークでは、WDM用光信号を直接送受信することが可能なシスコ製ルーター「NCS5500」シリーズと、他社製品と接続が可能な富士通製OLS「1FINITY」シリーズを利用している。これにより、IPレイヤーと光伝送レイヤーを融合した構成を実現し、以下の効果が得られる。

・WDM用トランスポンダを実装する筐体が不要になり、消費電力の削減と機器設置スペースの節約ができる。
・局間の伝送容量を拡張する際もルーター側のハードウェア増設や設定変更のみで容量の拡張ができる。
・通信トラフィックの増大に応じて迅速な対応が可能である。

 KDDIは2028年度末までに本メトロネットワークを全国展開していく。また、オールフォトニックネットワークの構築を推進し、サステナブルなネットワークを実現する。シスコはBeyond 5G時代に向けて、ネットワークとデバイスの運用の簡素化や自動化などの技術拡充を図り、サービス提供に取り組む。富士通は5Gおよび6Gテクノロジーから光バックボーンネットワークまで、未来のネットワークづくりを推進し、通信事業者のカーボンニュートラル化を支援する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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