【どう見るこの株】ジンジブは減益転換業績を織り込み合同企業説明会開催を手掛かりに3連騰

■就職サポート事業で再び上昇へ

 ジンジブ<142A>(東証グロース)は、前日11日に36円高の2867円と3営業日続伸して引けた。同社株は、今年3月22日に新規株式公開(IPO)され、初決算となる3月期業績の発表で、前期業績は過去最高を更新して着地したことで340円と高値反応したものの、今期業績の減益転換予想がボディーブローとなって下値調整を続けてきたが、7月4日から高校生の就職を支援する合同企業説明会「ジョブドラフトFes2024」を全国15会場で開催するなど高校生の就職活動が本格化することを手掛かりに下げ過ぎ修正買いが増勢となった。「ジョブドラフトFes」に先行して5月9日から開催の高校生のための職業体験会「おしごと体験会」も、全国12会場で一部並行開催されていることも、合わせてサポート材料視されている。

■全国15会場開催の「ジョブドラフトFes」に並行し「おしごと体験会」も

 同社は、高校生向けの求人情報提供サイト「ジョブドラフトNavi」、「ジョブドラフトFes」、高校第二新卒向け転職支援サービス「ジョブドラフトNext」などを主力事業としており、新卒高校生の求人倍率が3倍を超え、大企業・中小企業で求人ニーズが高まっているなかで業績も好調に推移している。初決算となった前2024年3月期業績は、売り上げ20億8200万円(前々比37.3%増)、営業利益2億7200万円(同3.69倍)、経常利益2億5300万円(同3.91倍)、純利益1億4100万円(同3.41倍)と過去最高を更新した。今3月期は、成長戦略推進に向け事業地域やシェアの拡大のために人員を前期末の161名から220名に増員する人件費負担や認知度向上に向けた広告宣伝費増などから売り上げは28億8000万円(前期比38.3%増)と大幅続伸するが、利益は、営業利益2億4000万円(同11.7%減)、経常利益2億3400万円(同7.7%減)、純利益1億4800万円(同4.5%増)と減益転換を見込んでいる。

 ただ高校生の就職活動が、7月1日から本格的にスタートするのに合わせてサポート事業も積極化させる。「ジョブドラフトFes2024」は、7月4日の熊本会場を手始めに7月15日の東京会場まで15会場で開催し、出展企業は合計615社が予定されている。また5月9日の大阪会場から開催している「おしごと体験会」は、すでに7会場で終了し、6月21日予定の東京会場まで全国12会場で開催予定である。この就職サポート事業の動向次第では今期業績の上ぶれ期待も高まってきそうだ。

■上値抵抗線の5日線を上抜きまず最高値調整幅の半値戻し奪回へ再発進

 株価は公開価格1750円でIPOされ3980円で初値をつけ即上場来高値4100円へ直進する高人気となった。同高値後は、高人気の反動やIPOラッシュ、さらに東証グロース市場の人気離散なども重なり、上場来安値2320円まで調整し、今期業績の減益転換予想も織り込み済みとして3480円までリバウンドし、戻り売りに押されて2644円まで再調整した。足元では、同安値からの下げ過ぎ修正に動いているもので、テクニカル的にも再調整時に上値抵抗線となってきた5日移動平均線を上抜け上昇トレンド転換を示唆している。まず最高値から最安値への調整幅の3分の1戻しの2900円台をクリアし、半値戻しの3210円奪回に動こう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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