冨士ダイスは25年3月期1Q大幅減益だが通期大幅増益予想据え置き

(決算速報)
 冨士ダイス<6167>(東証プライム)は8月13日の取引時間終了後に25年3月期第1四半期連結業績を発表した。大幅減益だった。前期好調だった海外向け溝付きロールの売上減少などで全体として減収となり、設備投資や人財投資などに伴う費用の増加も影響した。ただし通期の大幅増益予想を据え置いた。需要回復や原価低減効果などを見込んでいる。積極的な事業展開により、通期ベースで収益回復基調を期待したい。株価は第1四半期業績を嫌気する形となったが大きく下押す動きは見られない。高配当利回りや1倍割れの低PBRなども評価材料であり、目先的な売り一巡して出直りを期待したい。

■25年3月期1Q大幅減益だが通期大幅増益予想据え置き

 25年3月期第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比2.9%減の39億90百万円、営業利益が83.2%減の48百万円、経常利益が56.3%減の1億45百万円、親会社株主帰属四半期純利益が60.7%減の93百万円だった。

 前期好調だった海外向け溝付きロールの売上減少などで全体として減収となり、設備投資や人財投資などに伴う費用の増加も影響した。

 製品別売上高は超硬製工具類が13.4%減の10億32百万円、超硬製金型類が6.1%減の9億24百万円、その他超硬製品が12.6%増の10億63百万円、超硬以外の製品が1.8%減の9億70百万円だった。

 超硬製工具類は、海外向け熱間圧延ロールが好調だったが、前期好調だった海外向け溝付きロールが顧客における在庫調整の影響で大幅に減少した。超硬製金型類は、モーターコア用金型が好調だったが、二次電池向け金型が顧客の生産地変更の影響で大幅に減少したほか、圧粉金型等の販売が低調だった。その他超硬製品は、半導体製造装置向けが堅調だったほか、光学素子成型用金型の販売が回復した。超硬以外の製品は、一部の鋼製自動車部品用工具・金型が堅調だったが、混練工具の販売が低調だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が24年3月期比7.9%増の180億円、営業利益が26.1%増の10億20百万円、経常利益が30.4%増の11億50百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が17.0%増の8億30百万円としている。配当予想は24年3月期比8円増配の40円(期末一括)としている。24年3月期の32円には記念配当10円が含まれているため、普通配当ベースでは18円増配の形となる。予想配当性向は95.7%となる。

 需要回復や原価低減などにより大幅増益予想としている。第1四半期は大幅減益だったが、積極的な事業展開により、通期ベースで収益回復基調を期待したい。

■株価は目先的な売り一巡

 株価は第1四半期業績を嫌気する形となったが大きく下押す動きは見られない。高配当利回りや1倍割れの低PBRなども評価材料であり、目先的な売り一巡して出直りを期待したい。8月14日の終値は756円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円78銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想の40円で算出)は約5.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1039円32銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約151億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国内初、HVO51%混合燃料が建設現場で稼働  大成建設<1801>(東証プライム)とユーグレナ…
  2. ■従来の制作プロセスを刷新しAI時代の人材育成を推進  武蔵精密工業<7220>(東証プライム)は…
  3. ■高速道路で手放し運転が可能に、新開発「Honda SENSING 360+」がACCORDの運転支…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■内需株に広がる「トランプ・ディール」回避の波  東京電力ホールディングス<9501>(東証プライ…
  2. ■日米関税交渉、7月9日に運命の日「90日猶予」迫る潮目  「三日、三月、三年」とは、潮目、変わり…
  3. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  4. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  5. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  6. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る