【編集長の視点】ハローズは続落も東証1部へ市場変更の需給好転思惑が底流し再騰展開も

編集長の視点

ハローズ<2742>(東1)は、きょう16日にジャスダック市場(スタンダード)から東証第1部に市場変更されて売買が開始されており、前日のJQ市場の終値に対して37円安の2947円と続落して始まっている。今年10月9日に市場変更が承認され、市場変更に伴う東証株価指数(TOPIX)算入開始、TOPIX連動型ファンドなどの買い需要発生などを先取りして上場来高値2994円まで400円超幅の急伸を演じただけに、目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ下値では需給好転の実現買いも続き、また、今年9月に発表した今2月期第2四半期(2Q)累計業績が、期初予想を上ぶれ続伸幅を伸ばして着地したことも見直され、生活防衛関連株人気も再燃し再騰展開期待も高めている。

■「500品目値下継続宣言」で生活防衛企画を充実

同社株は、今年8月に自己株式の立会外分売(分売価格2402円、分売株式数8万株)を発表したが、この分売が、市場変更を申請している東証第1部の形式要件の充足と同社株式の分布状況の改善、流動性の向上を目的としていることから、逆にポジティブに評価して2689円高値まで580円高し、東証1部承認とともに窓を開けて2966円高値まで急伸し、上場来高値追いとなっている。TOPIXへの算入開始を前に再度、需給好転期待を高めよう。

一方、同社の今2月期2Q累計業績は、利益が、期初予想を3億1000万円~1億4600万円上ぶれ、前年同期比8.5%増収、20.6%経常増益、21.4%純益増益と続伸して着地し、期初予想を据え置いた今期通期業績に対する利益進捗率は、56~55%と目安の50%を上回った。中国地方を地盤とする食品スーパーとして、今年3月に「500品目値下継続宣言」を開始し生活防衛企画を充実させ、6月には独自の電子マネー機能付きのポイントカードを導入、3店舗を新規出店して店舗数を66店舗に拡大、既存店37店舗の売り場のレイアウトを変更したことなどが寄与した。

今期通期業績は、売り上げ1000億円(前期比4.5%増)、経常利益35億5200万円(同5.9%増)、純利益22億2200万円(同5.8%増)と予想、純利益は、前期に続く過去最高更新となる。

■国内景気の伸び悩み懸念を背景にデフレ関連株人気も相乗

株価は、上場来高値追いでPER評価は23倍台と割安感は乏しいが、東証1部への市場変更に伴う好需給思惑に加え、国内景気の伸び悩み懸念を背景とした生活防衛・デフレ関連人気も底流しており、最高値抜けから一段の上値チャレンジが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

本日のアクセスランキング

  1. 年金積立金、運用資産277兆円に拡大、収益率5.52%で過去最高水準
  2. 常陽銀行、高推論型のGoogle生成AI「Gemini 2.5 Pro」導入、本部業務の効率化へ
  3. データセクション、液体冷却対応の次世代AIデータセンターを印西に構築へ
  4. メディネット、インド発再生医療製品「Stempeucel」導入へ、国内独占開発権のオプション契約を締結
  5. NTT、SAR衛星で道路陥没予兆を世界初検出、衛星電波で道路空洞も把握
  6. 明治など、ワクチン抗体価が高い人の腸内環境を解明、ヨーグルト習慣と高抗体価に関連
  7. ビジネスブレイン太田昭和、年間配当は44円増の133円、株主優待も拡充
  8. アクセルスペース、補助金4億8700万円を営業外収益に計上、汎用衛星バス開発支援
  9. 綿半HD、グループ会社の綿半パートナーズが保護犬・保護猫の譲渡活動を実施
  10. IHI、沖縄電力から13万kWGTCC受注、牧港火力で次世代電源整備へ

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る