Jパワー、東電HD、川崎汽船など大手5社、浮体式洋上風力発電の次世代技術がNEDO事業に採択、共同で実現性検証へ

■風車と浮体が一体回転する垂直軸型風車の大型商用機開発へ

 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「浮体式洋上風力発電の導入促進に資する次世代技術の開発」事業において、アルバトロス・テクノロジー、Jパワー(電源開発)<9513>(東証プライム)、東京電力ホールディングス(東電HD)<9501>(東証プライム)、川崎汽船<9107>(東証プライム)、住友重機械工業<6302>(東証プライム)グループの住友重機械マリンエンジニアリング(SHI-ME)の5社が共同提案した「大型浮体式垂直軸型風車の実現性検証」が採択された。今回の検証では、風車と浮体が同時に回転する垂直軸型の大型風車の実現可能性を評価し、基本設計の承認取得を目指していく。

 垂直軸型風車は、水平軸型風車と同等の発電効率を持ちながらも、浮体部分が小型化されコスト削減が期待できる点が特徴である。さらに、海洋環境に関わらずほぼ同じ設計での生産が可能であるため、洋上風力発電の商業化に向けた大きな進展となると期待されている。この技術開発により、再生可能エネルギーの普及が進み、カーボンニュートラル社会の実現が促進される見込みだ。

 各社は、それぞれの専門分野を活かし、風車システムの設計、浮体の認証プロセス、保守運転コスト削減、数値解析手法の確立など、技術的な課題に取り組んでいく。この取り組みは、今後の浮体式洋上風力発電の普及を後押しし、日本のエネルギー転換を支える重要な一歩となる。

【各社の役割】

・アルバトロス=浮遊軸型風車の全体システムの設計、風車材料のカーボンファイバー補強繊維の設計・製造の検討、ライフサイクルコストの検討
・Jパワー=浮遊軸型風車の大型浮体の認証プロセスの検討、サプライチェーンの分析・調査
・東電HD=大型機のための数値解析手法の確立
・川崎汽船=設置および保守・運転維持コスト低減の研究、ライフサイクルコストの検討
・SHI-ME=大型機のための設計技術及び生産技術の研究
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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