インフォマート、沖縄老舗ステーキ店運営の沖縄テクノクリエイトが「BtoBプラットフォーム 受発注」導入、仕入コスト削減と原価率改善を実現

■受発注業務を効率化し、多店舗展開に伴う発注ミスやどんぶり勘定から脱却

 インフォマート<2492>(東証プライム)は6月9日、沖縄テクノクリエイト(本社:沖縄県那覇市)による「BtoBプラットフォーム 受発注」の導入事例を公開した。

■沖縄テクノクリエイトが語る導入理由と効果(取材協力:総務部 部長)

・「BtoBプラットフォーム 受発注」導入前の課題

 沖縄テクノクリエイトは、1955年創業の老舗企業であり、「88(ハチハチ)」の愛称で知られる「ステーキハウス88」をはじめ、焼肉、ハンバーグ、しゃぶしゃぶ、日本そばなどを提供する飲食店26店舗を展開している。コロナ禍により観光客が激減するなか、地元住民向けに業態を拡大し、店舗数を従来の13店舗から26店舗に倍増させることで、この難局を乗り越えた。

 しかし、急速な店舗拡大に伴い、仕入や棚卸におけるミスが常態化し、特に月末の棚卸では大きな差異が生じるなど深刻な課題となっていた。各店舗に仕入や在庫管理を任せ、紙の伝票でしか状況把握できなかったため、管理はまさに「どんぶり勘定」状態であった。また、全店舗で使用する食材の統一化が進まず、加えて肉の仕入価格が高騰する中で、正確な原価管理の必要性が一層高まっていた。

 さらに、FAXによる発注業務では商品間違いや発注漏れが発生し、納品書と請求書の金額照合に多大な手間がかかっていた。

■導入の決め手

 沖縄テクノクリエイトではコロナ以前から非効率な業務の見直しに着手しており、FAXに代わるインターネット発注ツールの導入を検討していた。選定の際に重視したのは、既存の東芝テック株式会社の店舗管理システムと仕入データを連携できる点であった。

 そのなかでも「BtoBプラットフォーム 受発注」は飲食業界に広く浸透しており、取引先の協力が得やすい点が決め手となった。こうして2019年2月に導入を決定した。

 導入に際し取引先に対する説明会を実施したところ、約半数の取引先が既に本サービスを利用していた。残る取引先にも導入を働きかけた結果、ほとんどの企業が賛同し、活用が広がった。

■導入効果

(1)受発注業務の効率化で年間500万円超の仕入コストを削減、原価率も40%から35%へ改善

 仕入の可視化と業務の効率化により、コスト削減、原価率改善、棚卸精度の向上、食材の統一化が進んだ。全店で仕入品を統一した結果、原価率は40%前後から35%に改善し、年間で500~600万円の仕入コスト削減を実現。導入初年度でシステム利用料を実質的に回収することができた。

 さらに、セントラルキッチン、仕入業者、各店舗間の受発注方法が確立され、人為的なミスが解消された。70代のベテランスタッフもスマートフォンを使いこなし、スムーズに発注業務をこなしており、従業員のITリテラシー向上にも貢献している。

(2)会計ソフトへの入力や納品書・請求書の金額照合が簡略化され、経理業務の負担を軽減

 店舗管理システムと「BtoBプラットフォーム 受発注」の仕入情報をCSV形式で連携可能としたことで、月次の原価計算や棚卸計算が迅速かつ正確になった。会計ソフトへの入力作業や納品書・請求書の金額照合も大幅に簡略化され、経理担当者の負担が軽減された。

■今後の展望

 今後も食材の整理と見直しを継続することで、さらなる原価率改善が期待される。IT化によって従業員の業務負担が軽減され、職場環境の改善とストレスの低減が実現している。従業員満足度の向上は多店舗経営において不可欠な要素であり、従業員の結束があれば、いかなる時代の変化にも対応できると考えている。業務改善のためのIT化は、今後も継続する必要があると実感している。

■サービス概要

 「BtoBプラットフォーム 受発注」は、外食・給食・ホテルなどと、その取引先である卸・メーカー間で受発注・請求業務を行えるクラウドサービスである。日々の受発注から請求処理までをデジタル化し、計数管理を一元化することで、双方の業務効率化、時間短縮、コスト削減、生産性向上を実現する。2025年6月現在で5万社以上が利用している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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