【株式市場特集】金利敏感株、円高メリット株などに「トライ・アンド・エラー」のチャレンジ再来

■金利上昇期待高まる、金融株に注目集まる

 日銀の政策金利引き上げを受け、3メガバンクが普通預金金利の引き上げを即座に発表した。銀行・保険業界では昨年11月の中間決算で業績上方修正と増配を公表しており、政策金利引き上げによる利ザヤ拡大と運用環境改善への期待が高まっている。第3四半期決算への関心も高まり、金利敏感株や円高メリット株への投資機会が再び注目されている。

■トリプルセットのメガバンクがリードして3Q決算動向に視線

 金利敏感株では、まず新年早々に昨年来高値を更新し高値もみ合い中のメガバンクが再人気化し、リード役となりそうだ。今3月期中間決算を開示した昨年11月に揃ってフルセットの今3月期業績の上方修正と増配、自己株式取得・消却を発表した三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東証プライム)、みずほフィナンシャルグループ<8411>(東証プライム)を筆頭に、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東証プライム)、りそなホールディングス<8308>(東証プライム)、三井住友トラストグループ<8309>(東証プライム)などもダブルセット材料を発表しており、株価はなお低PER・PBR、高配当利回り水準にあるためだ。1月29日から2月4日までに発表を予定している今期第3四半期決算への期待も高まりそうだ。

 地銀株でも昨年末から今年年初に強張って昨年来高値まで買われたのが三十三フィナンシャルグループ<7322>(東証プライム)、第四北越フィナンシャルグループ<7327>(東証プライム)、群馬銀行<8334>(東証プライム)で、3行とも今期第1四半期決算開示時に第四半期業績を上方修正し、第2四半期決算開示時には今期通期業績を上方修正し増配も発表している。もちろん低PER・PBR・高配当利回りである。また同じように今期業績を上方修正し配当利回りが、4%以上となる地銀株をあげると、フィディアホールディス<8713>(東証プライム)の5.16%を筆頭に東和銀行<8558>(東証プライム)、四国銀行<8387>(東証プライム)、岩手銀行<8345>(東証プライム)、トマト銀行<8542>(東証スタンダード)と続く。

■政策保有株売却益オンで運用収益が拡大し100円ショップ株も浮上

 運用環境好転で浮上するのは保険株である。損保株のSOMPOホールディングス<8630>(東証プライム)、MS&ADインシュランスグループホルディングス<8725>(東証プライム)、東京海上ホールディングス<8766>(東証プライム)の3社は、政策保有株の売却益も加わって昨年11月に今3月期の上方修正と増配、自己株式取得を発表しており、株価はなお割安水準にある。生保のかんぽ生命<7181>(東証プライム)も、今期業績の上方修正と自己株式取得を発表しており、PERは9.3倍、PBRは0.34倍、配当利回りは3.54%の評価にしか過ぎない。

 円高メリット株では、定番銘柄のニトリホールディングス<9843>(東証プライム)、神戸物産<3038>(東証プライム)、サイゼリヤ<7581>(東証プライム)、良品計画<7453>(東証プライム)のほか、SPA(製造小売り)のファーストリテイリング<9983>(東証プライム)、アダストリア<2685>(東証プライム)、ユナイテッドアローズ<7606>(東証プライム)、しまむら<8227>(東証プライム)、さらに折からの中国の春節(旧正月)入りのインバウンド需要も加わって100円ショップ株のキャンドゥ<2698>(東証スタンダード)、ワッツ<2735>(東証スタンダード)、セリア<2782>(東証スタンダード)なども目が外せない。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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