富士フイルム、膵臓がん早期発見を支援する新AIソフトを開発、超音波内視鏡にAIを融合

■高難度検査をサポート、医師の負担軽減と診断精度向上を目指す

 富士フイルムホールディングス<4901>(東証プライム)グループの富士フイルムは5月20日、AI技術を用いて開発した超音波内視鏡診断支援ソフトウェア「EW10-US01」を発表した。同ソフトは、膵充実性病変が疑われる領域をリアルタイムで検出し、膵臓がんの早期発見をサポートする機能を備えており、同種の医療機器としては国内初の薬事承認を受けた。膵臓領域への適用により、同社の内視鏡診断支援機能「CAD EYE」の対象範囲が下部・上部消化管に続き、膵臓まで拡大することになる。

 膵臓がんは国内で年間約4万人が命を落とし、5年相対生存率も8.5%と極めて低い。一方で、腫瘍径が1cm以下の段階で発見されれば、生存率は80%を超える。超音波内視鏡は微小ながん検出に優れているが、検査の難易度が高く、術者間で技量に差があることが課題である。本ソフトウェアは、膵臓の存在が推定される領域を枠で表示し、さらに病変が疑われる部位をリアルタイムで可視化・音声通知することで、医師の判断を支援する。

 従来の大腸・胃・食道に続き、膵臓への展開を図ることで、富士フイルムはAI技術による内視鏡検査の総合的な支援体制を拡充している。検査レポート作成支援機能の提供も行っており、今後も検査効率化と医療の質の向上に貢献していく方針である。なお、本ソフトの発売は2025年内を予定しており、内視鏡システムとの連携による操作性の高さも特徴である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  2. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…
  3. 【ダブルセット・フルセット銘柄、夏休み明けも底堅さに期待】 ■上方修正・増配・株式分割の好材料銘柄…
  4. ■上方修正・下方修正問わず買い集まる異例の展開  3連休入りした9日の成田空港では、夏休みを海外で…
  5. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  6. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る