NTT、「量子ディット」で光量子通信の限界突破、量子ビットの高次元化で通信容量が従来比10倍の可能性

■光量子技術の壁を打破、50%の理論限界を超える新アプローチ

 NTT(日本電信電話)<9432>(東証プライム)は5月21日、量子ビットを高次元化した「量子ディット」を用いることで、光量子操作の理論限界を超える新手法を開発したと発表。これにより、量子通信の鍵となる「融合ゲート」の成功率が大幅に向上し、長距離通信の大容量化が可能になる。

 従来の光量子技術では、量子ビット同士を結合する「融合ゲート」の成功率が最大50%に制限されていた。今回の研究では、0と1だけでなく複数の値を扱える「量子ディット」を採用。次元数を増やすことで成功率を向上させ、4次元で75%、10次元で90%に達することを理論的に証明した。実験技術は従来と同等ながら、通信容量は一桁向上する見込みだ。

 応用例として提案された新たな量子中継方式は、量子メモリを利用しつつ高速通信を実現する。これにより、大陸間通信など長距離量子ネットワークの早期構築が期待される。量子コンピュータ時代のセキュリティ対策として、量子通信の実用化が急がれる中、本研究はその可能性を大きく広げる成果となった。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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