加賀電子グループ、小型無線モジュールを100%内製化、タイ・十和田工場で生産体制を確立

■タイおよび十和田のグループ工場で『CONTINECT(コンティネクト)』製品の本格量産を開始

 加賀電子<8154>(東証プライム)の連結子会社である加賀FEI(本社:神奈川県横浜市)は、同社のEMS(注1)事業会社であるKAGA ELECTRONICS(THAILAND)CO.,LTD.(加賀タイ)および加賀EMS十和田 (EMS十和田)との協業のもと、2025年4月から小型無線モジュール製品の100%内製化を実現したと発表。

【小型無線モジュール事業の経緯と狙い】

 加賀FEIは、2022年1月に太陽誘電(本社:東京都中央区)からBluetooth(注2)およびWireless LANモジュールに関わる商権、開発・製造技術ならびに知的財産権を承継し、自社ブランド『CONTINECT』の名のもと、小型無線モジュール事業を開始した。

 加賀FEIは、自社内にエンジニア部門を有し、LSIなど大規模集積回路の開発受託・製造受託を行ってきた。また、無線分野においても、メッシュネットワークを活用した特定小電力無線モジュールの開発をはじめ、ソフトウェア・ハードウェア双方において多数の開発実績を有している。

 こうした知見と経験を基盤に、小型無線モジュールという新たなキーデバイスを加えることで、これまで取り組んできたネットワーク・クラウド、ソフトウェア開発、さらにはEMSサービスまでを含む幅広い提案力により、IoTソリューションビジネスの拡大を目指している。

 事業承継の流れとして、2022年1月より設計・開発機能を集約した「高崎開発センター」(所在地:群馬県高崎市)を開設し、自社ブランド無線モジュール製品の開発を開始した。2024年7月には一部生産機能を加賀タイへ移管し、段階的に内製化を進め、2025年4月よりEMS十和田に量産ラインを立ち上げ、BCM(注3)の観点から安定供給体制を構築した。

 無線モジュール市場は今後も需要拡大が見込まれる成長分野であり、とりわけ加賀FEIの『CONTINECT』は、通信機器や産業機器、民生エレクトロニクス分野において、IoTを活用した製品化に取り組む国内外の顧客にとって有望な製品となる。開発・生産・販売を一気通貫で行うことにより、事業競争力の強化と付加価値の向上を図り、3年後には関連ビジネスも含め売上高100億円を目指す。

(注1)EMS:Electronics Manufacturing Serviceの略。電子機器の開発・生産を受託するサービス。
(注2)Bluetooth ワードマークおよびロゴはBluetooth SIG Incが所有し、ライセンスに基づき加賀FEIが使用している。
(注3)BCM:Business Continuity Managementの略。事業継続マネジメント。

【小型無線モジュール『CONTINECT』について】

 加賀FEIが展開する小型無線モジュール『CONTINECT』は、以下のような優位性を有している。

1)世界最小レベルの超小型Bluetooth Low Energyモジュール
アンテナを内蔵しており、ウェアラブル機器など小型化が求められる機器に最適。

2)ソフトウェア内蔵型をラインナップ
ソフトウェア開発が不要なモデルも用意している。

3)豊富なラインナップ
Bluetooth Low Energy、Wireless LAN、両機能搭載モデルを各種パッケージで展開し、多様化する顧客ニーズに対応可能。

(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■半導体パッケージの微細化に対応、LDI露光で1.0μm幅パターンを実現  旭化成<3407>(東…
  2. ■物流費やエネルギーコストの上昇受け、企業努力では限界  亀田製菓<2220>(東証プライム)は5…
  3. ■約100種類の実践講座で次世代エンジニアを育成  トヨタグループ5社は5月22日、AI・ソフトウ…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■内需株に広がる「トランプ・ディール」回避の波  東京電力ホールディングス<9501>(東証プライ…
  2. ■日米関税交渉、7月9日に運命の日「90日猶予」迫る潮目  「三日、三月、三年」とは、潮目、変わり…
  3. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  4. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  5. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  6. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る