
■政府支援最大2514億円、2028年度から順次稼働へ
日本製鉄<5401>(東証プライム)は5月30日、政府のGX推進法に基づく支援事業に採択されたことを受け、高炉プロセスから電炉プロセスへの転換投資を決定したと発表。九州、瀬戸内、山口の各製鉄所に計3基の電炉を新設・増設・改造し、総投資額は8,687億円に上る。政府支援額は最大2,514億円で、2028年度下期から順次生産を開始する予定だ。
電炉プロセスへの転換はCO2削減効果が大きい一方、多額の設備投資と生産コスト増が課題となる。日本製鉄は、CO2削減価値が適正に評価される市場形成が投資回収の鍵だと指摘する。経済産業省の研究会でGXスチール市場拡大のための対策を提案し、政府のGX2040ビジョン具体化を要望している。
国際的にも、世界鉄鋼協会のガイドライン策定やISOへの働きかけを通じ、GXスチールの社会基盤構築に取り組む。日本製鉄は、3つの革新技術の開発と実装を進めつつ、2050年カーボンニュートラル実現を目指す方針だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)