アスカネット、26年4月期大幅増益・最終黒字予想で収益改善基調、フューネラル事業の契約拡大と画像収入増で増益

 アスカネット<2438>(東証グロース)は6月10日に25年4月期連結業績を発表した。フューネラル事業は堅調だったが、フォトブック事業における稼働率低下、空中ディスプレイ事業における棚卸資産評価損計上などにより大幅営業・経常減益、減損損失計上により最終赤字だった。26年4月期は大幅増益・最終黒字予想としている。フューネラル事業が堅調に推移するほか、前期の一過性損失の一巡なども寄与する見込みだ。フォトブック事業と空中ディスプレイ事業については体制強化等により立て直しを図る。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。株価は4月の安値圏から徐々に下値を切り上げている。出直りを期待したい。

■25年4月期大幅減益・最終赤字、26年4月期大幅増益・最終黒字予想

 25年4月期の連結業績は売上高が前期比3.2%増の72億63百万円、営業利益が61.2%減の1億73百万円、経常利益が62.3%減の1億78百万円、親会社株主帰属当期純利益が2億63百万円の損失(前期は2億14百万円)だった。配当予想は前期と同額の7円(期末一括)とした。

 フューネラル事業は堅調だったが、フォトブック事業がウェディング向けやコンシューマー向けを中心に苦戦して稼働率が低下したほか、空中ディスプレイ事業における棚卸資産評価損(2億51百万円)計上などで大幅営業・経常減益、特別損失に減損損失(1億49百万円)および投資有価証券評価損(2億30百万円)を計上して最終赤字だった。

 セグメント別(内部売上・全社費用等調整前)に見ると、葬儀関連のフューネラル事業は、売上高が3.3%増の33億89百万円で営業利益が6.6%増の8億01百万円だった。増収増益と順調だった。売上面は自社営業強化によって葬儀社の新規契約獲得が順調に進展し、画像処理収入や「tsunagoo」の手数料収入が着実に増加した。利益面は人件費やクラウド利用料が増加したものの、増収効果のほか、画像加工部門の効率的運営やサプライ品の適切な粗利確保等で吸収した。

 写真集関連のフォトブック事業は、売上高が3.2%増の37億34百万円で営業利益が11.2%減の6億01百万円だった。売上面はBET社の通期連結等で増収だが、プロフェッショナル写真家向け「アスカブック」において主力のウェディング関連が低調だったことに加え、一般消費者向け「マイブック」とOEMも撮影写真アウトプット減少の影響で厳しい状況が継続した。利益面は一定のコスト削減を実現したものの、稼働率低下や原材料価格上昇等の影響をカバーできず減益だった。

 空中結像プレートASKA3Dの空中ディスプレイ事業は、売上高が1.0%減の1億44百万円で営業利益が5億33百万円の損失(前期は3億16百万円の損失)だった。適切なコストコントロールお推進したが、案件獲得が想定通り進まず売上高が伸び悩み、棚卸資産評価損の計上で損失拡大した。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億10百万円で営業利益が25百万円の損失、第2四半期は売上高が16億92百万円で営業利益が40百万円、第3四半期は売上高が20億42百万円で営業利益が3億02百万円、第4四半期は売上高が18億19百万円で営業利益が1億44百万円の損失だった。

 26年4月期の連結業績予想は売上高が前期比4.4%増の75億80百万円、営業利益が150.5%増の4億35百万円、経常利益が151.4%増の4億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が2億61百万円(前期は2億63百万円の損失)としている。配当予想は前期と同額の7円(期末一括)としている。予想配当性向は42.2%となる。

 大幅増益・最終黒字予想としている。フューネラル事業が堅調に推移するほか、前期の一過性損失の一巡なども寄与する見込みだ。フォトブック事業と空中ディスプレイ事業については体制強化等により立て直しを図る。事業別売上高の計画はフューネラル事業が5.9%増の35億90百万円、フォトブック事業が1.6%増の37億95百万円、空中ディスプレイ事業が38.5%増の2億円としている。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。

■株価は下値切り上げ

 株価は4月の安値圏から徐々に下値を切り上げている。出直りを期待したい。6月10日の終値は440円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS16円60銭で算出)は約27倍、今期予想配当利回り(会社予想の7円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS342円98銭で算出)は約1.3倍、そして時価総額は約77億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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