
■認知症の早期発見へ、AI医療機器「SDS−881」実用化に前進
FRONTEO<2158>(東証グロース)と塩野義製薬<4507>(東証プライム)は6月10日、共同開発中の「会話型 認知機能検査用AIプログラム医療機器(SDS−881)」において、初の被験者登録(FPI)を完了し、臨床試験を開始したと発表。この医療機器は、両社が2024年2月に締結した戦略的業務提携に基づいて開発が進められており、FRONTEO独自のAI「KIBIT」が医療従事者と患者の自由会話を解析することで、認知機能低下の兆候を短時間かつ高精度に判定できる点が特長である。
同機器は、厚生労働省のプログラム医療機器調査会において2025年2月に優先審査対象品目に指定されており、2026年度の承認取得を目指している。導入されれば、医師の診断を支援し、患者と医療従事者双方の負担を軽減するとともに、認知症の早期発見と治療の促進につながることが期待される。FRONTEOの特化型AI技術は、創薬支援や医療安全領域でも活用されており、社会課題の解決に寄与している。
今後も両社は、戦略的提携の枠組みの中で、それぞれの強みと知見を結集し、高性能な診断支援AIモデルや医療機器の研究開発を進める構えだ。特にFRONTEOは、自然言語処理に基づく独自技術を核に、ライフサイエンス分野での社会実装を推進し、情報の利活用を通じた公平な社会の実現を目指している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)