【編集長の視点】monoAIは1Q赤字縮小業績が支援してゲーム・エンタメ関連株人気健在

■メタバースサービス好調で赤字幅縮小、ゲーム関連株として再評価の兆し

 monoAI technology<5240>(東証グロース)は、前日12日に5円安の349円と4営業日ぶりに反落して引けた。日経平均株価が、5営業日ぶりに248円安と反落したことから、今年5月の直近安値から20%超高している同社株も、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ今年4月に任天堂<7974>(東証プライム)が、新型ゲーム機「Nintendo Switch2」の予約販売受付を開始して以来、ゲーム・エンタメ関連株への見直し買いが根強く続いており、その一角に位置する同社株への関連株買いが継続する可能性があり、押し目買い妙味も示唆している。今年5月15日に発表した今2025年1月期第1四半期(2025年1月~3月期、1Q)業績の赤字が縮小したことも、サポート材料となりそうだ。

■1Q業績はメタバースサービスの売り上げが伸び売上総利益も49%増

 同社は、独自のメタバースが構築可能な「XR CLOUD」をOEM供給し、XR周辺サービスとしてゲームを中心としてテストを受託する品質保証業務も展開し、ゲーム大手各社が主要顧客に並んでいる。このため任天堂の新ゲーム機の米国での予約受付が好調に推移していると伝えられた今年4月に同社の株価は、ストップ高し、約58%の棒上げを演じた。

 これに続いたのが今期1Q業績の赤字縮小である。同1Q業績は、売り上げ4億1500万円(前年同期比3.7%増)、営業利益800万円の赤字(前年同期は3100万円の赤字)、経常利益600万円の赤字(同3100万円の赤字)、純利益2100万円の赤字(同3300万円の赤字)で着地した。売り上げの過半を占めるメタバースサービスの売り上げが、プロジェクト数の増加や平均単価の上昇で2億4300万円(前年同期比20.2%増)と伸び、業務委託費削減などの売上原価を抑制し、売上総利益が1億7600万円(同20.0%増)となったことが寄与した。今12月期通期業績は、期初予想通りに売り上げ14億3600万円(前期比0.5%増)、営業利益1億8000万円の赤字(前期は2億8100万円の赤字)、経常利益1億7700万円の赤字(同2億8600万円の赤字)、純利益1億8300万円の赤字(同5億8500万円の赤字)と見込み、なお赤字が継続するが、赤字幅は縮小する。

■GC示現で年初来高値を上抜き第三者割当増資の発行価格を目指す

 株価は、今年4月にトランプ関税による世界同時株安に巻き込まれて上場来安値200円に突っ込んだが、その後のゲーム・エンタメ関連株の軒並み高時にはストップ高を交えて年初来高値406円まで約150円高の急伸を演じた。同高値後は、いったん285円まで調整したが今期1Q業績の赤字縮小を手掛かりにリバウンドし、25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。年初来高値奪回から、次の上値目標として同社が昨年5月に資本業務提携した大日本印刷<7912>(東証プライム)を割当先とする第三者割当増資の発行価格557円が意識されそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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