【どう見るこの相場】高い水準が続く「売買単価」、円安傾向止まれば中低位株へ人気シフト

どう見るこの相場

<Q>マーケットで買われている銘柄は、比較的長期間間、値の高い銘柄が中心のように思われるが。

<A>その通りといえる。マーケットで、値ガサ株が買われているか、あるいは値の低い中低位株が買われているかを現す、「東証1部・売買単価」でみると指摘通り、値の高い銘柄が買われている姿といえる。売買単価は今年10月末以降、980~1100円で推移している。とくに、11月25日以降は1000円を超えた展開が続いている(11月28日に1日間だけ1000円割れがある)。

<Q>売買単価の1000円台は過去と比べて、どういう水準なのか。

<A>取り上げた数値は日々のデータだが、通常は日々のデータを6日間の移動平均値で用いる。「売買単価6日平均」で捉えれば、2009年から2012年までは大体600~700円での推移だった。とくに、2012年12月には508円の歴史的な低い水準だった。それが、今年12月には1122円まで上昇、2008年以来の高水準となっている。

<Q>2009年から2012年といえば民主党政権時代ということになるが、政権と関係があるのか。

<A>かなり強いといえるだろう。株はデフレに弱いからだ。マーケットは2013年から安倍新政権の脱デフレを買う展開となった。その時の牽引役は「円安」だったことからトヨタ自動車などの値の高い輸出関連銘柄が買われているため売買単価が上昇しているといえる。

<Q>中低位株に人気は回るのか。

<A>「円安」の続いている間は「中低位株」が本格的人気となるのは難しいだろう。とくに、今の相場は「円安」→「輸出株」→「業績向上」→「低PER」という流れとなっている。無理をして中低位株や新興系銘柄を買わなくても、1部市場の円安関連値ガサ株を買っているほうが投資効率がよい。

<Q>中低位株に人気の回る条件は何か。

<A>「円安」傾向の止まることに尽きる。円安が止まれば連れて、日経平均の上値は重くなるため出遅れという観点から中低位株へ目が向くものとみられる。「NT倍率」(日経平均÷TOPIX)でも12.5倍と高い位置にあり、NT倍率では中低位株にいつ人気が移ってもいいところにある。新春あたりが屈折点となる可能性はありそうだ。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■昔ながらの味わいを現代風にアレンジ、全国スーパーなどで展開  第一屋製パン<2215>(東証スタ…
  2.  日清食品ホールディングス<2897>(東証プライム)傘下の日清食品は8月18日、「カップヌードル…
  3. ■世界が注目する学問を豊富な事例とイラストで紹介  学研ホールディングス<9470>(東証プライム…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  2. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  3. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  4. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…
  5. ■公明党離脱ショック一服、臨時国会控え市場は模索  またまた「TACO(トランプはいつも尻込みして…
  6. ■自民党人事でハト派ムード先行、逆張りで妙味狙う投資戦略も  今週の当コラムは、ハト派総裁とタカ派…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る