日本製鉄のUSスチール買収が完了、米政府と安全保障協定、統合後も本社維持

■10万人雇用創出へ110億ドル超の設備投資

 日本製鉄<5401>(東証プライム)は6月18日、米国の鉄鋼大手USスチールとのパートナーシップ成立を正式に発表した。買収総額は約203億ドルにのぼり、両社は統合により「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を目指す方針だ。USスチールは象徴的な社名とピッツバーグの本社を維持しつつ、米国における原料採掘から製品製造までの一貫体制を今後も継続する。今回の統合を通じ、日本製鉄は2028年までに約110億ドルを米国内で投資し、米国各地の製造拠点において10万人超の雇用維持・創出を見込む。

■統合で年間粗鋼8600万トン体制に

 両社は米国政府との間で国家安全保障協定(NSA)を締結し、米国の安全保障上の要請に応じた統制体制を構築した。協定により、経営陣の中核や取締役の過半数は米国籍とし、USスチールの本店所在地はピッツバーグに固定される。政府は「黄金株」の発行を受け、一定事項について拒否権を保有する。これにより米国政府の安全保障に対する懸念を回避しつつ、日本製鉄には自由度の高い経営環境が担保される。

 日本製鉄は今回の買収により、年間粗鋼生産能力を8600万トンに拡大。米国、欧州を含むグローバルネットワークを一段と強化した。USスチールが保有する高炉・電炉拠点に加え、スロバキアの製造施設も傘下に収め、米国市場でのプレゼンスを大幅に高める。インフラ投資や高級鋼需要の増大が見込まれる米国を「成長の核」と位置づけ、投資採算性の高いブラウンフィールド型の資産取得を通じて、世界最大規模の鉄鋼企業グループを構築する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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