
■既存店改革から出店戦略まで、統合後の具体策を明示
トライアルホールディングス<141A>(東証グロース)は7月2日、「西友」の全株式を7月1日に取得し、経営統合が完了したと発表した。新たな代表取締役社長には、トライアルカンパニーで豊富な実績を持つ楢木野仁司氏が就任した。同社は統合後、既存店の改革や新規出店戦略、収益性向上、リテールメディアの展開を通じて、事業の拡大とシナジー創出を目指すとしている。
今後の戦略としては、消費者支持率の高い西友のPB「みなさまのお墨付き」をトライアル全店に導入するほか、小型スマートストア「TRIAL GO」の関東エリアへの展開を加速させる方針である。また、両社のプロセスセンター(PC)およびセントラルキッチン(CK)を統合し、総菜を含む商品供給体制の効率化と全国展開を推進する。
さらに、トライアルが九州で先行展開してきた「リテールメディア」を西友の関東・中部店舗にも拡大する計画で、店内IoTを活用したデータ連動型の広告施策によってブランド売上の拡大を図る。今回の経営統合により、流通とテクノロジーの融合を武器とする新たな小売モデルの確立が期待されている。
西友の代表取締役社長に就任した楢木野仁司氏は、1987年にトライアルカンパニーへ入社し、現場の店長や東日本ブロック長、取締役を経て、2012年に社長、2018年に会長を歴任した人物である。直近ではトライアルストアーズの社長も務めていた。今回の就任に際し楢木野氏は、これまでの経験を活かし、西友とトライアルの統合による最大限のシナジー創出に尽力すると述べた。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)