トランスジェニック、エクソンヒト化マウスの特許が国内で成立、将来的な活用と展開に期待

■正常な遺伝子発現を実現する新技術で治療法開発に貢献

 トランスジェニック<2342>(東証グロース)は7月2日、「エクソンヒト化マウス」に関する日本での特許成立(特許第7699749号)を発表した。今回の特許は、マウス遺伝子のイントロンを維持しつつ、エクソンのみをヒトの塩基配列に置き換える技術であり、正常な遺伝子発現量および組織特異的な発現パターンの再現が可能となる。この技術により、治療法の有効性を正確に検証できる疾患モデルマウスの作製が可能となる。

 従来のヒトDNA導入マウスでは、遺伝子発現が不安定で組織特異性にも問題があり、病態解析に限定的な使用にとどまっていた。一方、今回特許が成立した技術では、マウスの発現制御領域を保持しつつヒト遺伝子を導入することで、創薬に必要な正確な発現モデルを提供できる。同社はこれまでに、アミロイドーシス治療研究向け「トランスサイレチン(TTR)」モデルや、COVID-19研究用「ACE2」モデルの作製を成功させており、臨床応用に近い非臨床試験への展開を進めている。

 現時点で2026年3月期の連結業績への直接的な影響はないとされるが、同社は今回の特許成立を通じてCRO事業の知的財産基盤を強化し、高付加価値な創薬支援サービスの拡充に取り組む方針である。疾患モデルの受託作製・販売・共同研究の展開が期待され、今後の事業成長に資する技術といえる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■環境要因は50%、漁獲圧は25%、状態空間モデルで初の定量評価  東京大学は11月1日、日本周辺…
  2. ■ドジャース、球団史上初の2年連続制覇  ロサンゼルス・ドジャースは、2025年MLBワールドシリ…
  3. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…
  2. ■「トリプル安」も怖くない!?逆張りのバリュー株ローテーションからは銀行株になお上値余地  「神風…
  3. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  4. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…
  5. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  6. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る