AI開発のオルツが民事再生手続き開始を申立て、不適切会計発覚で経営危機、約24億円の負債抱え上場廃止へ

■AIサービス「AI GIJIROKU」の過大計上発覚が影響

 オルツ<260A>(東証グロース)は7月30日、東京地方裁判所に民事再生手続き開始の申立てを行い、同日受理されたと発表した。同日開催の取締役会で申立てを決議し、併せて裁判所から弁済禁止などの保全処分および監督命令を受け、みずき総合法律事務所の武田康弁護士が監督委員に選任された。不適切な会計処理が発覚したことにより事業価値の毀損や財務悪化が進んでおり、スポンサー支援による再建を目指すとしている。

 同社は2014年11月、パーソナル人工知能「P.A.I.」の開発を目的に設立され、AIプロダクトの提供やコンサルティング業務を展開してきた。しかし2025年4月上旬、「AI GIJIROKU」の有料アカウントをめぐり一部販売パートナーから受注した売上が過大計上されている疑いが発覚。第三者委員会の調査で不適切な会計処理が判明した。これにより事業価値が大きく損なわれ、2025年6月30日時点で約24億円の負債を抱えるなど、自力での再建が困難と判断した。

 今後は東京地方裁判所と監督委員の監督下で事業を継続しながら、事業を承継できるスポンサーの探索を急ぐ方針。民事再生手続きの申立てにより、東京証券取引所の上場廃止基準に該当し、整理銘柄に指定された。上場廃止は約1か月後となる見込みで、廃止日前営業日までは株式の売買が可能としている。株主への情報はホームページで随時提供し、臨時株主総会も早期に開催する予定としている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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