【8月の飲食料品値上げ】1010品目が値上げ、調味料・乳製品が中心に

■前年比1.5倍に増加、8カ月連続で前年同月を上回る

 帝国データバンクは7月31日、2025年8月の飲食料品値上げが1010品目に達したと発表した。前年同月比で52.8%増となり、3カ月連続で1000品目を超えた。分野別では「調味料」が最多の470品目に上り、牛乳やチーズなど「乳製品」が281品目で続いた。1回あたりの平均値上げ率は11%。2025年通年では11月までに累計1万9416品目となり、前年の実績を55.1%上回る勢いを見せている。

■物価上昇の常態化、背景にコスト高と人手不足

 値上げの主因は原材料費の高騰が97.2%と大半を占めたほか、光熱費(66.5%)、物流費(80.0%)、人件費(53.9%)など複合的なコスト上昇が影響した。「調味料」「酒類・飲料」「加工食品」の値上げが目立ち、とくに調味料は前年の2.5倍以上に拡大した。値上げ率は平均15%で推移しており、前年の17%をやや下回っているが、数量ベースでは大幅な増加が続いている。

 今後の見通しとして、10月には3000品目を超える値上げが見込まれており、4月以来の「値上げラッシュ」となる可能性が高い。天候不順や円安、人手不足による影響が長期化する中、企業は一時的対応から恒常的なコスト構造を前提とした価格戦略へと移行しており、飲食料品の価格上昇は今後も続く見通しである。2年ぶりの年間2万品目超えが確実視され、2022年の水準に並ぶ可能性も出てきた。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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