NTT、熟練者の判断を再現するAI技術を開発、新人でもベテラン級対応を実現

■問い合わせ履歴から9割の精度で判断プロセスを抽出

 NTT<9432>(東証プライム)は8月1日、問い合わせ対応業務における熟練者の判断プロセスを高精度で抽出・見える化する世界初のAI技術を開発したと発表したと発表。セキュリティ事故対応やコールセンター業務に蓄積された問い合わせ履歴を、LLM(大規模言語モデル)で解析し、約9割の精度で熟練者の思考フローを再現することに成功。新人でも熟練者と同等の対応が可能となる仕組みで、業務ノウハウ継承の課題解決が期待される。

■自動応答にも応用、視認性高いフローチャートを生成

 同技術は「質問」「提案」の抽出とリスト化、問い合わせ履歴の構造化、頻出パターンのフローチャート化という三段階で構成される。実証実験では、公開データセット「FloDial」を用い、正解フローチャートとの照合により高精度な再現性を確認。自由記述の対話から、視認性と解釈性に優れた業務フローを生成できる点が評価された。成果は国際会議ACL2025に採録され、技術的意義も高く認められている。

 今後は実業務データに適用し、抜けや飛躍を含む実際の対話にも対応できるよう精度向上を図る方針。また、生成された判断フローチャートは自動応答システムへの展開も想定されており、AIによる対応の根拠を明示できることで業務の安心感と効率化の両立が可能となる。人手での補正も容易な構造で、ノウハウ継承だけでなく自動化技術としても今後の活用が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AIとベイジアンネットワーク解析で165項目を抽出、複雑な因果関係を構造化  大正製薬は11月2…
  2. ■Blackwell GPU2140基で研究競争力を拡大  NVIDIA(NVDA:NASDAQ)…
  3. ■銀座の呉服店「むら田」店主・村田あき子の語りをまとめた書籍  KADOKAWA<9468>(東証…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  2. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  3. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  4. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  5. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  6. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る