SMBCグループ、生成AI活用を本格始動――役職員向けに中島CEOを模したAIチャットボットを展開

■生成AIを活用し経営陣の思考や発言を再現、組織風土の変革目指す

 三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)<8316>(東証プライム)および三井住友銀行は8月5日、生成AIの業務活用を促進すべく、「AI―CEO」の開発と三井住友銀行内での展開を開始したと発表。「AI―CEO」は、グループCEOである中島達氏を模したAIモデルで、対話を通じて役職員に経営的視点や意思決定の考え方を伝えるとともに、AIと共に働く文化の醸成を図るものである。これは単なる実証実験ではなく、AI活用を日常業務に浸透させ、AIと役職員の協働を自然なものとする組織変革の一環と位置づけている。

 AIモデルは、OpenAI社のGPT―4oを基盤とし、中島氏の発言や思考を反映したRAG技術を用いて開発された。AIチャットボットでは「中島達らしい」応答を生成し、役職員の質問に対応する。さらに、マイクロソフト社の技術を活用したAIアバターの開発も進められており、行内イベントなどでの活用も検討中である。こうしたAIとの対話は、社内カルチャーの浸透や業務提案の高度化といった副次的効果も期待されている。

 加えて、グループは「AI上司」の開発にも着手しており、顧客ニーズの推定や提案支援などを通じて、銀行員の暗黙知を活用した営業支援AIとして展開を予定している。今後は役職員のフィードバックをもとにAI機能の高度化を図るとともに、AIと業務の融合を加速させ、顧客接点の強化や営業力の向上、意思決定支援、オペレーション自動化といった領域で新たな価値創出を目指す。2025年度内に「AI上司」の試行も予定されており、SMBCグループは国内金融機関におけるAI活用の先駆けとなる姿勢を明確にしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る