JSP、中間期は小幅減益も純利益増、押出事業が堅調、通期予想と配当維持

(決算速報)
 JSP<7942>(東証プライム)は10月31日に26年3月期第2四半期累計(以下、中間期)連結業績を発表した。小幅減収・営業減益だった。押出事業は概ね堅調に推移したが、ビーズ事業において自動車分野の売上が減少し、人件費の増加なども影響した。そして通期の営業減益予想を据え置いた。米国関税政策影響などにより需要調整局面を見込んでいる。株価は反発力が鈍く戻り一服の形だが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■26年3月期中間期営業減益、通期営業減益予想据え置き

 26年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比1.5%減の703億07百万円、営業利益が4.0%減の30億76百万円、経常利益が8.6%減の32億40百万円だった。小幅減収・営業減益だった。押出事業は概ね堅調に推移したが、ビーズ事業において自動車分野の売上が減少し、人件費の増加なども影響した。親会社株主帰属中間純利益は特別利益に退職給付制度改定益3億94百万円を計上したため11.0%増の28億60百万円だった。

 押出事業は売上高が2.0%増の244億11百万円、営業利益(全社費用等調整前)が8.0%増の8億69百万円だった。増収増益と順調だった。全体として販売数量は減少したが、一般包材および建築・住宅分野向けの高付加価値製品が好調に推移した。

 ビーズ事業は売上高が3.3%減の458億96百万円、営業利益が10.3%減の26億56百万円だった。減収減益だった。全体として販売数量は前年同期並みだったが、発泡ポリプロピレン「ARPRO」を中心とする高機能材製品の自動車分野向けが減少し、人件費の増加なども影響した。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が343億92百万円で営業利益が12億53百万円、第2四半期は売上高が359億15百万円で営業利益が18億23百万円だった。

 通期の連結業績予想は前回予想(25年7月31日付で下方修正)を据え置いて、売上高が前期比0.2%減の1420億円、営業利益が12.9%減の60億円、経常利益が13.8%減の63億円、親会社株主帰属当期純利益が5.3%減の48億円としている。配当予想も据え置いて前期と同額の80円(第2四半期末40円、期末40円)としている。予想配当性向は43.7%となる。

 米国関税政策影響などにより需要調整局面を見込んでいる。前提条件の為替レートは1米ドル=145円、原油価格(ドバイ)は70米ドル/バーレルである。営業減益予想だが、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は反発力が鈍く戻り一服の形だが、高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。10月31日の終値は1888円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS183円15銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の80円で算出)は約4.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3855円23銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約593億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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