三菱電機、人の感情を可視化する「エモコ分析サービス」開始、集中度や眠気度を数値化

■非接触センサーと独自アルゴリズムで感情データを1分ごとに配信

 三菱電機<6503>(東証プライム)は9月24日、人の感情や状態を可視化して法人向けに提供する新サービス「エモコ分析サービス」を10月から開始すると発表した。バイタルセンサー「エモコアイ」を搭載した「エモコセンサーユニット」で取得した脈拍や体動などのデータを、独自アルゴリズムでクラウド上に解析し、集中度や眠気度といった「感情推定データ」として配信する仕組みである。企業やサービス事業者はこれを活用することで、勤務環境の最適化や生産性向上に資する働き方改善やサービス開発が可能となる。

 背景には、ウェルビーイングの重要性が高まる現代の企業経営において、従業員の心身の状態を適切に把握することが求められている事情がある。同社は既に家庭用エアコン「霧ヶ峰」に「エモコアイ」を搭載し、快・不快を感知して気流を調整する技術を展開してきた。今回の新サービスはその技術を発展させ、小型で設置性の高い「エモコセンサーユニット」を用いて、オフィスや教育現場など幅広い分野で感情推定データを活用可能とした。クラウドAPI経由で最短1分ごとにデータを配信でき、精度の高い現状把握や既存製品・サービス価値の向上が期待される。

 同社は将来的に独自のデジタル基盤「Serendie®」と連携させ、オフィスや教育の枠を超えて、社会課題解決や新たな価値創出に取り組む方針を示している。すでに小学校で実証実験を行い、授業改善や集中度把握に有効性が確認されており、今後の社会実装に向けた展開が進められる。医療利用を目的としたものではないが、非接触で自然な状態を計測できる特性を持ち、多様な分野でのウェルビーイング向上への寄与が期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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