大日本塗料、中継輸送導入で持続可能な物流体制構築、負担軽減と効率化を両立

■2024年問題に対応、日帰り運行で働き方改革を推進

 大日本塗料<4611>(東証プライム)は9月25日、鈴与カーゴネット株式会社と協業し、長距離輸送に中継輸送を導入したと発表した。背景には、トラックドライバーの労働時間が年間960時間に制限される「2024年問題」による人手不足や納期維持の困難化がある。同社は幹線輸送において中継拠点を活用し、労働環境の改善、輸送効率の向上、環境負荷低減を同時に実現する体制を整えた。これにより、ドライバー不足と物流停滞リスクに対し、持続可能な物流モデルを提示した格好である。

 物流業界では高齢化や低賃金による人材不足、ネット通販の増加による荷物量拡大など構造的課題が深刻化している。大日本塗料は国の「ホワイト物流推進運動」に賛同し、静岡や名古屋の拠点を中継地として活用することで、栃木―大阪間の長距離輸送を日帰り運行可能にした。これにより、ドライバーの長時間労働を回避し、労働環境の改善に貢献するとともに、規制強化下でも安定した輸送網を維持できる仕組みを構築した。

 加えて、従来の10tトラックから20tトレーラーへの切り替えにより積載量を倍増させ、荷物の積み替え作業を不要にしたことで効率が大幅に高まった。同時に、CO2排出量は1回あたり1310kgから809kgへ削減され、約38%の削減効果を確認した。大日本塗料は今後もドライバーの働きやすさと環境配慮を両立する物流体制を推進し、持続可能な社会の実現に寄与していく方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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