マイクロ波化学、三菱ケミカルと開発のリサイクル材、ホンダ新型EV「N-ONE e:」に採用

■ドアバイザーに再生アクリル樹脂、資源循環型モビリティ社会へ一歩

 マイクロ波化学<9227>(東証グロース)は9月25日、三菱ケミカルグループ<4188>(東証プライム)傘下の三菱ケミカルと共同で開発を進めてきたマイクロ波を利用した熱分解リサイクル技術により再生したアクリル樹脂リサイクル材が、ホンダ<7267>(東証プライム)の新型軽乗用EV「N-ONE e:(エヌワンイー)」用ドアバイザーに採用されたと発表した。自動車用品においてアクリル樹脂リサイクル材が採用されるのは業界初とされ、資源循環と環境負荷低減の観点から注目される。

 同社と三菱ケミカルは2021年から、使用済み自動車から回収したアクリル樹脂を対象にケミカルリサイクル技術の確立を推進してきた。マイクロ波による加熱方式はエネルギー効率の高さや処理時間の短縮、装置のコンパクト化、安全性の向上といった特徴を持つ。同技術により製造されるリサイクル材は従来品と同等の品質を確保でき、ライフサイクル全体でCO2排出量を従来比約50%削減できると見込まれている。今回の採用により、自動車リサイクル分野における再生材利用の拡大が期待される。

 マイクロ波化学は今後、ケミカルリサイクル事業を重点領域として事業拡大を図り、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献する方針を示した。さらに2025年10月に開催される大阪・関西万博「未来社会ショーケース事業」に出展し、マイクロ波を用いたケミカルリサイクルの実証機ジオラマやリサイクル材を展示する予定である。会場では採用されたリサイクル材を用いたノベルティ配布も予定しており、技術の社会実装と理解促進を進める考えだ。なお、同件が同社業績に与える影響は軽微とされている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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