JX金属、佐賀関製錬所に約70億円投資、リサイクル原料前処理設備を増強

ビジネス 万年筆 メモ

■精鉱製錬の収益低下を受け、リサイクル製錬への転換を加速

 JX金属<5016>(東証プライム)は9月26日、金属・リサイクル事業におけるリサイクル原料の増処理を目的とした前処理プロセス設備への投資を発表した。今回の投資は、大分県大分市のJX金属製錬佐賀関製錬所において実施され、キルン炉を中心とする前処理設備の能力増強を行う。投資額は約70億円で、2025年比で処理能力を約5割増とし、稼働開始は2027年度を予定している。なお、2026年3月期連結業績への影響は軽微と見込まれている。

 同社は近年の精鉱製錬における収益性低下を背景に、製錬事業の強靭化を加速させている。グリーンハイブリッド製錬計画の推進により、銅精鉱からリサイクル原料へのシフトを進め、原料ポートフォリオを再構築している。金属価格の上昇や資源循環への関心拡大に伴い、各国でリサイクル原料の確保競争が激化している中、同社は低品位E‐wasteを含むリサイクル原料を安定的に集荷・処理するため、前処理能力の拡充が必要と判断した。

 今回の投資により、同社はリサイクル原料処理での技術優位性を一層発揮し、環境負荷の低減や投資効率性の確保を図るとともに、銅資源の循環促進に貢献する。加えて、リサイクル原料から回収される貴金属やレアメタルは半導体材料や情報通信材料事業において需要が高く、供給リスクの高い重要鉱物の確保強化につながる。同社は今後も金属・リサイクル事業の収益性と成長性の向上に取り組み、社会的意義を伴う安定供給体制の構築を進める方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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