セコムグループのパスコ、輪島沖で国内初の複合観測型フローティングライダー導入、洋上風力と漁業の両立へ

■風況と魚群を同時観測、洋上風力発電の事業判断と合意形成を支援

 セコム<9735>(東証プライム)グループのパスコは10月8日、風況と魚群の同時観測を可能にした国内初の浮体式観測装置「フローティングライダー」を導入し、石川県輪島市沖で調査を開始したと発表した。洋上風力発電の導入検討に必要な風況観測と海中生態調査を一体化し、事業者の意思決定や漁業関係者との合意形成を支援する狙いがある。装置はブイ型浮体にドップラーライダーや魚群探査装置などを搭載し、風速・風向・潮流・魚群データを同時に取得できる。従来別々に行っていた観測を統合し、調査効率とコスト削減を実現した。

 輪島市では、地震や豪雨による被害を経て地域復興を目指す中、洋上風力発電事業の誘致が進められている。2023年に設立された「輪島市洋上風力発電事業誘致検討協議会」では、市長を会長とし、商工団体や漁業関係者が議論を重ね、2025年3月に誘致推進を全会一致で決議した。企業進出や雇用創出、人口定着など地域経済の再生を促す重要施策と位置づけられている。

 パスコは2024年度、環境省の補助事業として輪島建設協同組合が採択した「浮体式洋上風力導入促進事業」や「再エネ推進技術評価・実証事業」に参画し、輪島沖の再エネ導入検討と防災・復興支援に携わっている。これまで同社は環境アセスメントや海域モニタリング、漁業実態調査などを通じて再生可能エネルギー導入を支援してきた。今後も地球温暖化対策や脱炭素社会の構築に向け、環境調査技術を活かした持続可能な地域再生に取り組む方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■山口県周南市で始動、燃料電池の定置型電源活用で脱炭素電力供給を検証  ホンダ<7267>(東証プ…
  2. ■LINEリサーチ発表、上半期トレンド総括と最新6月期の動向  LINEヤフー<4689>(東証プ…
  3. ■休廃業・解散は減少も淘汰続く、新興市場の課題鮮明に  東京商工リサーチは7月31日、国内ドローン…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■自民党人事でハト派ムード先行、逆張りで妙味狙う投資戦略も  今週の当コラムは、ハト派総裁とタカ派…
  2. ■総裁選関連株が再び脚光、政権交代期待が市場を刺激  今週の最注目銘柄は、さいか屋<8254>(東…
  3. ■金先物関連株、最高値更新で安全資産需要が強まる  日本取引所グループ<8697>は9月24日、今…
  4. ■石破首相辞任表明後も市場は急落回避、投資家の買い意欲継続  「一寸先」は、不確実で予測が難しい。…
  5. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  6. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る