伊藤忠テクノソリューションズ、オンプレミス型生成AI基盤「CUVIC GPU Zero」提供開始

■NVIDIA製GPU搭載、50名同時利用可能なセキュア環境

 伊藤忠商事<8001>(東証プライム)傘下の伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は10月20日、オンプレミス環境に構築する生成AI基盤サービス「CUVIC GPU Zero」の提供を開始した。閉域網によるセキュアな構成を採用し、運用まで含めたフルマネージド型で提供する。自社データの漏洩リスクを抑えつつ生成AIを安全に活用できる基盤として、GPU搭載ハードウェアとAIエージェント開発機能をワンパッケージ化。初期費用150万円、月額75万円(税抜き)から導入可能で、3年間で30件の受注を目指す。対象は自社開発のAI活用を志向する企業である。

 企業における生成AI利用は拡大しているが、機密情報や業務データを安全に扱う環境が限られ、オンプレミス導入には費用や人員確保の負担が伴う。CUVIC GPU Zeroは、NVIDIA社製GPUを搭載した専用ハードと、ネットワーク監視、障害対応、バージョン管理を含む運用サービスを統合。CTCが機器の調達・構築・保守を代行することで導入負荷を軽減する。最大50名の同時利用が可能で、複数部門間での運用にも対応。大規模言語モデル(LLM)や視覚言語モデル(VLM)を搭載し、長文生成や画像・グラフ解析なども高精度に行える点が特徴である。

 さらに、ノーコード開発ツール「Dify」を実装し、プログラミング知識がない事業部門でもAIエージェントを構築できる。CTCはインフラ構築やAI活用支援の経験をもとに、GPU最適化、環境設計、監視運用、モデル更新を担う。今後は、利用規模の拡大や新たなLLMの追加、通信回線強化などを進める方針。製造業の生産管理や金融業のリスク分析など、業界ごとの課題解決に対応するAIエージェント開発を支援し、企業の安全かつ効率的な生成AI導入を推進していく。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■昔ながらの味わいを現代風にアレンジ、全国スーパーなどで展開  第一屋製パン<2215>(東証スタ…
  2.  日清食品ホールディングス<2897>(東証プライム)傘下の日清食品は8月18日、「カップヌードル…
  3. ■世界が注目する学問を豊富な事例とイラストで紹介  学研ホールディングス<9470>(東証プライム…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  2. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  3. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  4. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…
  5. ■公明党離脱ショック一服、臨時国会控え市場は模索  またまた「TACO(トランプはいつも尻込みして…
  6. ■自民党人事でハト派ムード先行、逆張りで妙味狙う投資戦略も  今週の当コラムは、ハト派総裁とタカ派…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る