ユビキタスAIがストップ高買い気配、耐量子暗号の実装技術を確立、低価格IoT機器に対応

■IoT・公共システム向けに低コストで導入可能なソリューション

 ユビキタスAI<3858>(東証スタンダード)は11月11日、量子コンピューター時代に対応した「耐量子暗号(PQC)」を低価格IoT機器に実装可能とする技術開発に成功したと発表した。同社は2023年からPQC研究を進めており、Arm Cortex-Mベースの32bitマイコンでの実装に目途を得た。米国国立標準技術研究所(NIST)が標準化したFIPS203、204、205の実装・検証を完了し、さらに標準化作業中のFALCONおよびHQCについても暫定仕様での検証を終えた。PQC対応は世界的に加速しており、NISTは「2035年までの移行完了」を推奨、現在主流のRSA2048bit暗号は「2030年12月31日まで」が安全利用期限とされている。

 こうした背景のもと、同社は「セキュリティ2030年問題」に備え、IoTや公共システムなどで求められる強固な暗号化基盤を支えるソフトウェアソリューションの提供を強化する方針を示した。日本のマイナンバーカードにもRSA方式が使われており、将来的な耐量子暗号への移行が検討されている。同社は今後もセキュリティ基盤の進化を見据え、低コストなマイコン環境でも利用可能な暗号実装技術を通じて、製造業や公共分野を中心とした顧客企業の安全なデジタル化を支援していくとしている。

■耐量子暗号技術を材料にS高買い気配、量子時代テーマで投資資金流入

 同社の株価は後場に入り急伸し、423円高のストップ高買い気配となっている。前日終値343円から約23%上昇。11日発表の「低価格IoT機器で耐量子暗号を実装可能とする技術開発」が材料視され、量子コンピューター時代を見据えたセキュリティ関連として買いが集中した模様。出来高は13万株を超え、直近の平均を大きく上回る。PBR1.95倍と割高感はあるが、技術テーマ性の強さから短期資金が流入している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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