アスクル、3PL事業で情報流出の可能性を確認、ランサムウェア攻撃の影響広がる

■物流データが外部流出の恐れ、ランサムウェア被害で第9報

 アスクル<2678>(東証プライム)は11月14日、10月19日に発生したランサムウェア攻撃に起因し、グループ会社ASKUL LOGISTが提供する3PLサービスの利用企業に関する出荷・配送データの一部が外部に流出した可能性を確認したと発表した。対象は配送先住所、氏名、電話番号、注文商品情報であり、メールアドレスやクレジットカード情報の委託は受けていない。同社は取引先企業やエンドユーザーへの影響を重くみており、情報悪用による被害は現時点で確認されていないものの、不審な着信やフィッシングメールなどへの注意を呼びかけている。

 同社は流出可能性の判明後、関係する取引先企業への報告を進めるとともに、外部専門機関の協力のもと詳細な調査を継続している。新たな流出を防ぐため監視体制を強化し、個人情報保護委員会を含む関係当局への報告を完了した。今後、新たに公表すべき事実が確認された場合には、取引先企業と連携して速やかに通知する方針である。また、エンドユーザーからの問い合わせについては、各取引先企業側で対応する体制が取られている。

 アスクルグループは本件について、10月19日の第1報を皮切りに段階的に情報を公表してきた。出荷トライアル運用開始や復旧状況など各種進捗を随時発表しており、今回の第9報では3PL事業に関わる情報流出の可能性を改めて示した。同社は引き続き原因究明と安全対策の強化を進め、状況の変化に応じて情報を更新する姿勢を示している。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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