
■SpaceXミッションで6U衛星が軌道投入、世界各地の高精度データ取得へ
IHI<7013>(東証プライム)は12月1日、同社とIHIエアロスペースが委託製造した超小型ハイパースペクトル衛星「IHI-SAT2」が、米国カリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地からSpaceXの「Transporter-15」ミッションで打ち上げられたと発表した。同衛星はNanoAvionicsが製造した6Uサイズの小型衛星で、世界各地のハイパースペクトル画像を取得し、解析技術向上を図ることを主目的とする。従来より広く詳細な波長帯域のデータを取得できる特性から、森林の樹種判別、生育状況の把握、病害兆候の検出など、高精度の森林管理に資することが期待されている。
同衛星の運用開始により、同社は森林管理・カーボンクレジット事業の推進を強化する方針である。衛星を自ら保有・運用することで必要なエリアのデータを迅速に取得でき、森林状態の把握や解析技術の高度化につながる。同社は住友林業との合弁会社「NeXT FOREST」で取り組む森林管理事業にも本衛星の成果を反映し、樹種ごとの炭素固定量を踏まえたカーボンクレジット創出など多様な価値を提供する構想を示した。
さらに同衛星は、将来的に同社が構築を目指す地球観測衛星コンステレーションの一部を担う位置付けであり、運用で得られた知見を活用して計画を具体化する。同打ち上げには、経済安全保障重要技術プログラムで同社が幹事企業として参加し、アークエッジ・スペースが開発した技術実証衛星も同時搭載された。IHIは衛星開発からデータ利活用までの総合技術力を強みに、森林管理とカーボンクレジット事業を持続性の高い事業へ育成し、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献する方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)























