ベステラ、3Q累計大幅増益、大型工事進捗と粗利改善が寄与、通期大幅増益予想据え置き

(決算速報)
 ベステラ<1433>(東証プライム)は12月10日に26年1月期第3四半期累計連結業績を発表した。大幅増益だった。大型工事が順調に進捗し、見積・積算体制の整備による売上総利益率改善も寄与した。そして通期の大幅増益予想(25年9月9日付で下方修正)を据え置いた。なお連結子会社のヒロ・エンジニアリングおよび3Dビジュアルの株式を譲渡する件について、12月10日付で水道機工との基本合意書解除と、新たに大浦工測との基本合意書締結を発表した。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は10月の直近安値圏から切り返して反発の動きを強めている。高配当利回りも支援材料であり、出直りを期待したい。

■26年1月期3Q累計大幅増益、通期大幅増益予想据え置き

 26年1月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比0.8%増の80億68百万円、営業利益が305.4%増の5億35百万円、経常利益が123.5%減の4億36百万円、親会社株主帰属四半期純利益が99.5%増の4億36百万円だった。受注工事高は19.3%増の87億05百万円で、受注残高は22.5%増の80億76百万円となった。

 大幅増益だった。大型工事が順調に進捗し、見積・積算体制の整備による売上総利益率改善も寄与した。完成工事高は0.5%増の78億26百万円、完成工事総利益は26.5%増の14億99百万円、完成工事売上総利益率は4.0ポイント上昇して19.2%となった。兼業売上高は11.6%増の2億41百万円、兼業事業売上総利益は8.3%増の55百万円、兼業事業売上総利益率は0.7ポイント低下して23.0%となった。

 完成工事高の業種別構成比は製鉄が35%、石油・石化が30%、電力が14%、環境が8%、ガスが2%、3Dが1%、その他が10%だった。受注残高の業種別構成比は製鉄が63%、石油・石化が22%、電力が4%、環境が3%、ガスが1%、その他が7%だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が25億31百万円で営業利益が1億33百万円、第2四半期は売上高が25億69百万円で営業利益が93百万円、第3四半期は売上高が29億68百万円で営業利益が3億09百万円だった。

 通期の連結業績予想(25年9月9日付で下方修正)については据え置いて、売上高が前期比10.1%増の120億円、営業利益が87.3%増の7億円、経常利益が18.2%増の7億円、親会社株主帰属当期純利益が34.2%増の5億50百万円としている。配当予想(25年6月9日付で期末10円上方修正)も据え置いて、上場10周年記念配当10円を含めて前期比20円増配の40円(第2四半期末15円、期末25円=普通配当15円+上場10周年記念配当10円)としている。予想配当性向は65.5%となる。

 第3四半期累計の進捗率は売上高67%、営業利益76%、経常利益76%、親会社株主帰属当期純利益79%である。老朽化プラント解体工事の増加で中期的に市場環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は下方修正を嫌気した10月の直近安値圏から切り返して反発の動きを強めている。高配当利回りも支援材料であり、出直りを期待したい。12月10日の終値は1089円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS61円04銭で算出)は約18倍、今期予想配当利回り(会社予想の40円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS546円88銭で算出)は約2.0倍、そして時価総額は約101億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■地域と共に築いた「鮪解体ショー」で世界一の舞台へ  銚子丸<3075>(東証スタンダード)は、同…
  2. ■速乾・吸水機能を備えたブラ&ショーツ、11月7日から応援購入受付  グンゼ<3002>(東証プラ…
  3. 日産自動車 日産 NISSAN
    ■経営再建計画の一環として保有資産を最適化、20年間の賃貸借契約で本社機能維持  日産自動車<72…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  2. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  3. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  4. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…
  5. ■師走相場は最終レースさながら、勝ち負け分ける「掉尾の一振」に熱視線  師走である。礼節一点張りの…
  6. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る