引き続き「円高」の行方を見守る展開、決算発表一巡でテーマ株に物色の矛先が向かいそう=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛

 来週(8~12日)の相場は、アメリカの企業業績頭打ちが鮮明となるなかでドル安・円高の推移を見守る展開だろう。NYダウベースのPERは1月20日頃には14倍台前半だったが、足元では17倍台半ばへ上昇している。株価がほとんど同水準の中ででPERが上昇していることはEPSの低下、すなわち企業業績が悪化しているものとみられる。

 経済再生で成功したオバマ政策の副作用で発生したドル高の影響が現れているのではないかとみられる。もちろん、中国の影響もあるだろう。このため、利上げを決定した米景気の頭打ち懸念に対してはドル安政策ということになるのだろう。今夕発表の1月分の雇用統計が好調なら、ドル安はひとまず止まる可能性はありそうだが、もしも芳しくない数字ならNYダウ安とドル安が進む可能性がありそうだ。

 日本の企業業績にも先行き見通しが厳しくなっている。幸い、5日に決算を発表したトヨタ自動車(7203)は売上、営業利益について今期見通しを据え置き、純利益については増額してEPSを従来予想の713.7円を723.6円とした。加えて、自社株取得も発表した。

 このトヨタの決算発表で短期的には業績の材料は相場に織込んだものとみられる。ただ、今度の第3四半期決算では、中国経済の減速、円高の影響が色濃く現れた。中国経済は減速局面から停滞局面入りの心配があり、今後も日本の企業業績にはマイナスが予想され、さらに、円高も続くようなら次期(2017年3月期)の減益可能性が浮上する心配がある。

 ただ、今の時点で次期業績を材料視するのは早すぎるように思われる。むしろ、円高が進むようなら、マイナス金利政策に続いて日銀の第3次量的金融緩和が見込めることとなりそうだ。来週の日経平均は今週の下げを受け継いで去る1月21日の安値1万6017円に接近する場面は予想されそうだが、下回ることはなさそうだ。

 物色銘柄は、アベノミクス第1章で活躍した輸出関連銘柄から、徐々にアベノミクス第2章の中心になるとみられるバイオ医薬、ロボット、農業、地方創生などに関連した銘柄に移っていくものとみられる。マイナス金利で預金金利の引き下げなどから個人マネーが株式市場へ動き始めているようである。来週の日経平均は1万6500~1万7500円ていどを想定。もちろん、量的緩和が出れば予想水準は上回るとみている。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■大阪・関西万博で下りスループット約24%改善、首都圏施設で運用開始  ソフトバンク<9434>(…
  2. ■激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは  CEメディアハウスは1月27日、ニューズウィーク日本版…
  3. ■TOB80社、MBO32社と高水準を維持  東京商工リサーチは1月20日、2025年に上場廃止を…
2026年3月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

ピックアップ記事

  1. ■経営統合や事業転換、ブランド強化など多様な狙いが背景  社名変更は、経営統合、事業構造転換、持株…
  2. ■4月相場を直撃する「トリプル安」、新年度相場は出鼻から波乱含み  4月1日は元来、証券業界にとっ…
  3. ■JR東日本、約40年ぶり運賃改定で鉄道株に注目  JR東日本<9020>(東証プライム)は3月1…
  4. ■中東情勢の行方が左右する「彼岸底」シナリオと原油危機回避の可能性  願わくば少なくともアノマリー…
  5. ■投資バリューは中立も株価材料として機能する局面も  株式市場は3月相場入りを控え、株式分割銘柄の…
  6. ■東京市場、株式分割ラッシュ拡大、値がさ化の進行が契機  3月相場は、また「二日新甫」である。「二…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る