インフォメーションクリエーティブの売上高は2010年を底に5年連続増収、今期は過去最高の74億33百万円を見込む

■日立グループ以外の顧客開拓も進め、全体的な売上拡大を推進

 ソフトウェア開発、システム運用のインフォメーションクリエーティブ<4769>(JQS)の売上高は、2010年を底に5年連続の増収を継続し、今期は過去最高となる74億33百万円を見込む。

 当社の取引先は、日立グループを主要顧客としていることから、業績は安定しているが、日立グループはもちろんであるが、グループ以外の顧客開拓も進め、全体的な売上拡大を推進している。今期は、その取組の成果が段々明確になってきている。

 今期16年9月期第2四半期の売上構成を見ると、日立グループ56.7%、上場・関連企業等38.3%、その他5.1%となっている。前年同期が日立グループ59.9%、上場・関連企業等37.3%、その他2.8%であった。今期は、日立グループの売上高は横ばいでありながら、全体の売上高が伸びていることから、その比率が低下している。

■ITサービス事業は大幅増収で黒字転換

 当社の事業は、ITソリューション(ソフトウェア開発、システム運用)、ITサービスに分かれている。

 事業別の業績は、ソフトウェア開発は、金融、証券、保険案件が増加したことで売上高16億53百万円(前年同期比9.0%増)、売上総利益3億03百万円(同14.6%増)となった。
 システム運用は、インフラ構築案件の伸びが鈍化したことにより売上高18億63百万円(同0.8%増)、売上総利益3億29百万円(同5.0%増)。
 ITサービス事業は、チケットGATE、チケットfor Windowsが好調であったことから売上高92百万円(同71.8%増)、売上総利益11百万円(前年同期△17百万円)と大幅増収で黒字転換となった。

 その結果、第2四半期業績は、売上高36億10百万円(同5.6%増)、営業利益2億95百万円(同33.6%増)、経常利益3億08百万円(同21.5%増)、純利益1億99百万円(同48.0%増)と増収大幅増益であった。

 第2四半期の売上高は、当初予想を60百万円程下回ったが、利益面は当初予想を大幅に上回った。その理由として、上半期に予定していた研究開発費用が未消化で、下半期に繰り越されることを挙げている。

■今期の最終利益は、01年9月期を上回る過去最高を見込む

 今期通期業績予想は、売上高74億33百万円(前期比9.4%増)、営業利益4億26百万円(同30.7%増)、経常利益4億64百万円(同22.2%増)、純利益2億93百万円(同41.7%増)と増収増益で最終利益は、これまで過去最高であった01年9月期の2億61百万円を上回る最高益更新を見込む。

 果たして、当初計画の数字を達成できるのか。そこで、4月末時点での受注高達成率を見ると、ソフトウェア開発76.6%(前年同期71.7%)、システム運用95.3%(同86.1%)、ITサービス72.7%(同40.3%)と全事業分野で前年を上回っていることから、通期業績予想の達成の可能性は高いといえる。

■パートナーの手当てがポイント

 ここまでは、順調にきているが、懸念材料というと、IT業界全体が、人手不足であるので、パートナーの手当てができるかどうかということがポイントとなる。

 その点に関しては、当社の取組は、コアパートナーを増やすために、パートナー推進部を発足させ、パートナー企業との連携を深めている。
 具体的な活動は、当社教育担当者が、パートナー企業向け技術講習会を開催し、パートナー企業の社員教育も行っている。
 また、毎月1回、パートナー企業との定例会議を実施し、早期に人員情報を把握し、現場や営業へ展開して受注に結び付けるように努めている。
 さらに、コアパートナーから提案された技術者を優先して案件に投入するようにしている。

 以上のような取組を実施していることから、システム運用では人手不足を解消して大型案件を獲得し、受注高達成率も高水準で推移している。

■PMО(プロジェクト管理組織)を設置する計画

 もう一つの懸念材料は、プロジェクト管理である。この点に関しても、PMP(プロジェクト・マネジメント・プロフェッショナル)の資格取得を進め、プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダーの育成を強化している。更に徹底するために、個別に行っていた見積精査や終了プロジェクトの振り返りを実施するために、PMО(プロジェクト管理組織)を設置し、組織的に実施する計画。現在のところ不採算案件は発生していない模様。

 このような取組を実施することで、長期ビジョンでは100億円企業、東証2部上場を目指している。

 当社の株価指標は、PER(予想)11.60倍、PBR(実績)0.95倍、配当利回り2.70%となっている。業界のPER28.4倍、PBR1.2倍と比較すると、割安といえる。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る