【人】歌まね芸能生活40周年の丸山おさむさん

■「歌マネ」に「歌謡史」加えた独自の芸風、文部省芸術祭で優秀賞

 芸能生活40周年を向えた丸山おさむさん(写真)。歌手200人以上の『歌マネ』に加え、名曲に隠れたエピソードを交えての『歌謡史』で聞き手をなつかしい世界に引き入れて一気に盛り上げる、自ら築き上げた独特の芸風。1997年(平成9年)には、文化庁芸術祭の歌まねで史上初の優秀賞の大賞を手にした。

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 新潟県上越市の出身。子供の頃は引っ込み思案だったという。父と母の歌は聞いた記憶はないが、歌好きだった叔父がよく歌って聞かせてくれたのが耳に残っていたようだという。隠れた才能を開花させ、引っ込み思案を吹き飛ばすきっかけとなったのが、日立製作所家電品工場の試作検査部勤務時代の組合主催での年末の歌合戦だった。寮生活の先輩に背中を押されて舞台に上がった。初めて多くの人前に立つ緊張で誰のモモマネだったか、はっきり思い出せないほどだったが大ウケした。これに意を強くし笑いの道へ進む気持ちが強まった。

 「昭和51年(1975年)に、伊藤欄ちゃんに会えるとういう動機もあって、よし、という気持ちで(笑)、素人コンテスト公開番組に応募。芸能人野球大会実況中継のストーリーでピッチャーに森進一や解説に田中那衛といった芸能人を登場させモノマネでやったら優勝し、本格的に笑いの道へ入り、今年40年を迎えました」という。

■日立製作所勤務時代の忘年会でのモノマネがきっかけに

 テレビ、ラジオDJなどに多くの出演経験を持つが、活躍の中心は手作りの舞台での文化会館や小劇場などでのショーが中心。「思いのある人が贔屓(ひいき)にしてくれます。うれしいですね。必ずといってよいほど口コミで仲間の人を連れてきてくれます。テレビに比べると口コミのスピードは遅いが根強いファンの皆さんに支えられているという強さがあります。振り返ってみると、口コミの40年でしたね。これからも、ファンの皆さんと距離の近い関係を大切にしていきます」と微笑む。

 丸山さんからいただく案内は、パソコン文字のほかに、必ず、手書きの文字が添えられていますね、と聞くと。「作曲家の船村徹先生が曲を作られるときに作詞された元の原稿が欲しい、手書きの原稿にはそのときの気持ちが強く込められている、作曲にはその気持ちが大切、という話を聞いて、私も芸に心を込め、皆さんに心を込める思いで手書きにしています」と頬を引き締める。

 とくに、仮装や変装は一切なし、歌手の短所ではなく長所を真似る、しかも、歌マネだけでなく名曲に隠れたエピソードを交えての歌謡史が昭和の時代を生きてきた来場者の人生と重なって熱い感動を呼ぶ。『知的で品格のある芸風』として評される。

 磨き上げられた芸のヒントになった人として、丸山さんは、「白山雅一さん」、「桜井長一郎さん」、「林家木久扇」さんの3人をあげる。「白山雅一さんの声帯模写は同じ歌手をデビュー当時の声と晩年の声で歌い分ける、歌マネの真髄ですね。桜井長一郎さんは、歌は歌わないモノマネでしたが、間と構成がすばらしく、林家木久扇さんは昭和芸能史が得意でヒントをもらいまして歌に置き換えて昭和歌謡史としてやっております」。

 観察、分析、批評、応用をキーワードに多くの人と出会い、貪欲に芸に取り入れることを心がけている。企業の記念行事などで、歌謡史を企業の社史に当てはめて披露すれば喜ばれる。5年前からは、「寄席」にも出ているが、今後は、「最近はグローバル化時代で海外生活されている日本の方は多い、そういった海外現地の方に私の芸をお見せできればと思っています」と意気込みをみせている。

 丸山おさむさんの連絡先は、090-3208-0449。2016年~17年に芸能生活40周年公演を順次行う。6月22日(水)には東京江東区の深川江戸資料館小劇場で開催する。(文=犬丸正寛)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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