【妻と夫の株ロマン】イギリスEU離脱決定と相場の行方

妻と夫の株ロマン

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■材料表面化で短期リバウンドも、政府の為替対策等も支援、中長期相場は期待できない

【妻】 イギリスのEU残留か離脱かを問う国民投票が終り、離脱に決まりました。投票前から離脱の場合は影響がある、といわれてきたのでNYダウ、日経平均とも下げたのは分かりますが、それにしても下げが大きすぎるのではないかという印象です。

【夫】 投票の事前に予想が二転三転し特に直前のところでは残留が濃厚だったためNYダウ、日経平均とも大きく値上りしていたことに対する反動が加わったと思う。丁か半かのバクチ的な相場だったといえる。

【妻】 今後、どうなるのですか。

【夫】 われわれは学者ではないから、イギリスのEU離脱による世界経済への影響検証ということは横に置いておいて、われわれ投資家は相場との関係で捉えることが大切だからイギリスのEU離脱は売りか、あるいは買いかという目線が大切だ。とくに、この問題で重要なことは、短期的視点と中長期的視点に分けて考えることだろう。

【妻】 短期的には、売りですか、それとも買いですか。

【夫】 短期的には、「買い場」が近いとみている。ここでいう短期とは向こう1カ月ていどだけど、理由としては、(1)当面の関心材料であったイギリスのEU問題に白黒がはっきりした。相場というものは、「終わったこと」には関心がなくなる、(2)日本政府が為替介入に踏み切る意思を示している。日銀の追加緩和も予想される、という2つの理由からリバウンドは近いとみている。もちろん、白黒がはっきりしたとはいえ余熱は続くから日経平均の一段安は予想されるが、近いうちに一旦は底打ちして反発するとみている。

【妻】 中長期的にはどうなの。

【夫】 中長期では強気になれない。(1)EU離脱決定によってイギリスの政治と経済が今後、良くなるのか悪くなるのか、(2)イギリスの離脱で残る27カ国でEUの体制を維持できるのか、あるいは崩壊に向うのか、(3)今回、イギリスで起きた保護主義の波が11月の大統領選挙にどう影響するか、(4)大国の中国が、この機会を捉えてどう動くか、(5)日本の政治・経済・企業にどう影響してくるか、など懸念されることが山積といえる。短期的には出尽し感はあっても中長期的には霧が晴れていない、むしろ霧は深くなった。

【妻】 特に、気になる点はどこですか。

【夫】 第1に、イギリスの次の政権が具体的にどう動いてくるかということと、そして、イギリスの経済が大丈夫かということだろう。離脱の意思は決まっても正式離脱までには2年間の期間がある。仮に、この間にイギリス経済が悪化すれば再加盟という道に戻る可能性だって予想される。第2は、やはりアメリカの大統領選挙だ。仮に、トランプ政権になれば、日本にとってはイギリスのEU問題どころではない大きい影響が予想される。「アメリカ第一主義」は、アメリカの国民、産業を優先するという保護主義だからTPPは消え、自動車などには関税がかかる心配がある。そして、三つ目は大国の中国がどう動いてくるか。利に長けた中国が今回のEU問題を黙ってみているとは思えない。中国はイギリスと組んで欧州で新たな体制作りに出てくるかもしれない。先の周主席のイギリス訪問での超度級の歓迎をみれば何かが起きても不思議ではない。ましてや、EU27カ国に亀裂が出れば中国にとっては割って入るチャンスのように思われる。こういったことに今後、日本の政治、経済、企業がどう対応していくのか。こういった状況では、短期ではリバウンドはあっても中長期ではとても強気になれない。

【妻】 個人にはチャンスですか。

【夫】 数100億円規模を動かす機関投資家のプロには、中長期展望がはっきりしないから動くのが難しいと思われる。この点、小回りの利く個人投資家にはチャンスだ。政府、日銀の対策に賭けて、この突っ込みは拾って、戻ったところは欲を出さず利食いするのがよいと思われる。こういう乱世こ個人は小回りの利く点を発揮すべきである。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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