【株式評論家の視点】CRI・ミドルウェアは中国向けが業績に貢献、下押し目買い妙味膨らむ

株式評論家の視点

 CRI・ミドルウェア<3698>(東マ)社は、音声と映像のミドルウェアを開発・許諾販売を行っている。ミドルウェア製品ブランド「CRIWARE(シーアールアイウェア)」でアプリケーションソフトの開発や横展開を容易にし、ゲーム分野(スマートフォンや家庭用ゲーム)や組込み分野(家電・業務用機器)、医療・ヘルスケア分野、新規分野(動画配信・動画広告など)で顧客ビジネスの拡大を支援している。

 同社では、ゲーム分野においては、市場拡大が期待されているVR(バーチャル・リアリティ)コンテンツの開発を支援するミドルウェア、またスマートフォンゲーム向けに触覚技術で世界をリードする米国イマージョンコーポレーションとの技術提携による触覚ミドルウェア「CRI HAPTIX(シーアールアイ ハプティクス)」の提供を開始している。組込み分野においては、遊技機用の次世代半導体向けミドルウェア開発に取り組むとともに、家電製品や業務用機器向けに高出力サウンドミドルウェアの受注獲得を進めている。新規事業では、画質の劣化無く動画データを1/2以下に圧縮可能なソリューション「CRI DietCoder(シーアールアイ ダイエットコーダー)」の提供を開始。動画配信や監視カメラ等、今後成長が見込まれる分野に向けての事業拡大を進めている。

 前2016年9月期第3四半期業績実績は、売上高が9億4500万円(前年同期比13.6%増)、営業利益が2億0600万円(同37.5%増)、経常利益が1億9400万円(同32.7%増)、純利益が1億2600万円(同43.6%増)に着地。

 前16年9月期業績予想は、売上高が14億円(前の期比17.1%増)、営業利益が3億2000万円(同19.9%増)、経常利益が3億2000万円(同22.2%増)、純利益が2億1400万円(同33.1%増)を見込んでいる。

 株価は、ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアの中国ゲーム開発サポートプロジェクト「China Hero Project」に参画を手掛かりに、9月13日に年初来の高値4985円と買われた後、25日移動平均線を上値抵抗線にモミ合っている。10月12日に中国におけるゲーム開発向けミドルウェア「CRIWARER(シーアール アイウェア)」の提供を開始し、中国のゲーム会社4社と、CRIWARERのライセンス契約を締結したと発表。2016年の中国のゲーム市場規模は244億ドルを超え、北米の235億ドルを上回り世界最大になると予測されており、今後業績に貢献する見通し。今17年9月期増収増益を観測されており、11月11日に予定される9月期本決算の発表に期待は持てる。足元では、サポートラインとして意識される9か月移動平均線に接近しており、ここから下押す場面があれば、買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■離職率低下と顧客満足向上を実証、省人化潮流に逆行する人材重視戦略  「丸亀製麺」主力のトリドール…
  2. ■ビーム整形と出力平準化技術を融合し大気揺らぎを克服  NTT<9432>(東証プライム)と三菱重…
  3. ■航続距離650キロを実現、日野が新型FCV大型トラック投入  日野自動車<7205>(東証プライ…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る