【株式評論家の視点】プロスペクトは大株主による売り一巡感、配当利回り妙味増す

株式評論家の視点

 プロスペクト<3528>(東2)は、昭和12年(1937年)の創業より、繊維事業を礎として地歩を固め、業容を拡げるべく不動産事業に参入。現在は、首都圏を中心に新築マンションの分譲をコア事業としている。グループ企業には、ハウスビルダーである株式会社ササキハウス、社会インフラの推進工事事業を担う機動建設工業株式会社を擁し、収益チャンネルの多角化に取り組んでいる。

 不動産販売事業(マンション分譲)では、主に首都圏にて一般顧客向けにマンションを販売している。同(土地建物)では、土地建物おいて宅地および戸建住宅の販売、ならびに建物の一棟販売を行っている。不動産販売事業(注文住宅)では、 山形県を主な事業エリアとして、戸建住宅の建築請負やリフォーム工事等を行っている。アセットマネジメント事業では、不動産および日本株式を対象とする有価証券の運用事業を行っている。建設事業では、推進工事およびプレストレスト・コンクリート(PC)工事等を行っている。再生可能エネルギー事業では、太陽光発電による電気の販売を主な収入源としたソーラー事業を行っている。そのほか、不動産賃貸事業(自社所有マンション等の賃貸等)を行っている。

 今2018年3月期は、The Prospect Japan Fund Limited買収に向けたM&Aプロジェクトを進めているが、7月28日に買収が完了。引き続き収益基盤強化を目指し、ソーラーのみならずバイオマスを含む再生可能エネルギー事業等の拡大など、事業多角化に積極的に取り組み、企業価値の最大化を目指している。従来どおり、重要なセグメントの一つであるアセットマネジメント事業や、海外で展開している不動産事業は、国内外の経済状況や市場環境等の変動により大きな影響を受ける傾向にあり、将来の業績予想が極めて困難であるため、四半期毎に実施する決算業績および事業概況のタイムリーな開示に努め、今2018年3月期の業績予想については開示しない方針だが、年間配当は期末一括3円継続を予定している。

 今18年3月期第1四半期業績実績は、売上高16億4800万円(前年同期比12.4%減)、営業損益3億0300万円の赤字(同2億2000万円の赤字)、経常損益1億2000万円の赤字(同3億9800万円の赤字)、最終損益2億1200万円の赤字(同4億1300万円の赤字)に着地。

 株価は、2月21日につけた年初来の高値104円から4月13日安値59円まで調整を挟んで5月31日高値85円と上昇した後、9月11日に年初来安値50円と売り直されモミ合っている。大株主よる保有株式の売却が一巡したもようで、配当利回り5.6%と利回り妙味が増す水準。26週移動平均線が上値抵抗線となってるが、日柄調整が進めば、リバウンドも見込まれそうだ。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る