【特集】熱中症予防関連銘柄へアプローチ!定番・常連銘柄&意外銘柄は?

■関東甲信地方と兜町との梅雨明け先着レースは熱中症予防関連株

 関東甲信地方と兜町の「梅雨明け」は、どちらが先着するかスピードレースとなるが、ここでは当コラムは、関東甲信地方に肩入れする投資スタンスを取りたい。気象庁の3か月予報では、梅雨明けとともに猛暑到来と観測されている。週明けにも梅雨明けして「梅雨明け十日」の気象アノマリー通りに猛暑日が続くことになれば、熱中症患者の大量発症なども懸念されるところで、熱中症予防関連株へのアプローチである。

 昨年2018年は、5月から9月までの4カ月間の熱中症による救急搬送患者は9万5137人、うち死亡者は159人を数えただけに、猛暑到来とともに、予防関連株への注目度が高まり、個人投資家中心にニューマネーの市場流入も期待されることになる。しかも、この熱中症予防は、1年後に開会式を迎える2020年東京オリンピック・パラリンピックまで続く息長いベース・テーマとなる可能性もあり、関連株買いが広く深く浸透する展開もありそうだ。

■ミスト発生器、「暑さ指数」測定器、甘酒メーカー、日傘など意外性銘柄から打診スタート

 熱中症予防関連の定番銘柄は、環境省の「予防強化月間」の応援企業や日本気象協会の「熱中症ゼロへ」キャンペーンのパートナー企業となるが、まずはニューマネーの誘引効果が期待される意外関連株への打診買いからスタートしたい。気温低下効果のあるミスト(細霧)発生器を手掛ける新日本空調<1952>(東1)、「暑さ指数」測定器を含め建設現場の予防対策キットで実績のサンコーテクノ<3435>(東2)、「飲む点滴」といわれ予防飲料として注目されている甘酒の甘酒メーカーを製造販売しているエムケー精工<5906>(JQS)、日傘のムーンバット<8115>(東2)などである。

 このうちムーンバットは、このところ熱中症予防で男性にも日傘をさすことが薦められており、梅雨時の長雨の雨傘の需要とともにダブルの需要拡大が予想され、8月9日に発表予定の今2020年3月期第1四半期(2019年4月~6月期、1Q)決算が注目されることになる。また残りの3銘柄は、値付きにやや難のある銘柄もあるが、いずれもPBRが1倍を割り、値ごろ妙味もあるだけに人気の火がつけば値動きの軽さを発揮してくれそうだ。

■環境省、日本気象協会のキャンペーンのパートナー企業にも定番人気が波及

 定番銘柄では、環境省の「強化月間」キャンペーンのオフィシャルパートナー企業となっているインタースペース<2122>(東マ)OSGコーポレーション<6757>(JQS)、同じくパートナー企業の東京リスマチックを傘下に持つ日本創発グループ<7814>(JQS)に独自人気を期待したい。なかでもOSGコーポは、浄水器メーカーだが、来年2020年東京オリンピック・パラリンピックを視野に訪日客向けに冷水器の設置場所の検索サイトを多言語対応できるように刷新した。今年度から強化月間の「声かけプロジェクト」の応援企業に仲間入りした新顔の「すっぱムーチョ」の湖池屋<2226>(JQS)や「塩こんぶ」のフジッコ<2908>(東1)を含めて小型株人気を発揮しよう。

 常連銘柄では、日本気象協会のキャンペーンのオフィシャルパートナーとなっている「森永甘酒」の森永製菓<2201>(東1)、「エバラ浅漬けの素」のエバラ食品工業<2819>(東1)、「フジミネラル麦茶」の石垣食品<2901>(JQS)、「外付け日よけ スタイルシェード」のLIXILグループ<5938>(東1)、「i-shirt Cool」のはるやま商事<7416>(東1)、環境省キャンペーンのスペシャル応援企業のブルボン<2208>(東2)明治ホールディングス<2269>(東1)アサヒグループホールディングス<2502>(東1)キリンホールディングス<2503>(東1)ココカラファイン<3098>(東1)デサント<8114>(東1)パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>(東1)日本航空<9201>(東1)などにも物色が及び、銘柄個々の材料性も加わって厚みと高株価変化率が増す展開も想定される。

 これ以外でも熱帯夜連発で暑さ指数が危険レベルに引き上げられ、高齢者などへの影響が懸念されるケースではエアコンのダイキン工業<6367>(東1)富士通ゼネラル<6755>(東1)ツインバード工業<6897>(東2)や家電量販店株に買いが膨らむことになり、マークは怠れない。

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