【特集】経済活動の再開を両立させる関連株として証券株に注目

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 「アベノミクス相場」が、独自色を強めてこれぞ「スガノミクス相場」と見定めるまでには、なお瀬踏み期間がありそうだ。その間は東奔西走、個別材料株のローテーション相場がダブル、トリプルとスパイラルに繰り返されるとしたら、これまで買われた関連株へ再チャレンジする余地があることになる。そこで今週の当コラムでは、地銀株とともに、株高がマーケットばかりか消費者心理を改善させ新型コロナウイルス感染症の感染予防と経済活動の再開を両立させる関連株として業績即効性のある証券株にも注目してみることにした。

■地方創生関連では再編思惑が根強い地銀株に期待高まる

 地銀株は、オーバーバンキングと日本銀行の異次元金融緩和策により利ザヤの縮小という逆風にあり、ほとんどがPBR1倍割れと倒産価格水準にある。しかし、焦眉の急のコロナ不況対応の資金繰り支援の無利子・無担保融資の「御用金」の担い手であるとともに、東京一極集中の是正、地方経済の再生には核となるのは地銀であることは変わらず、この活性化のためにも業界再編による稼ぐ力の向上が待たれる。これを地銀サイドからみればビジネス・チャンス到来となるはずだ。この関連では、まず年初来高値を更新中の富山銀行<8365>(東1)、京都銀行<8369>(東1)、広島銀行<8379>(東1)が、どこまでリーチを伸ばせるかトライしてみる価値がある。

また逆張りの低PBR株では、PBRが0・09倍の千葉興業銀行<8337>(東1)を筆頭に0.1倍台の高知銀行<8416>(東1)、東京きらぼしフィナンシャルグループ<7173>(東1)、山梨中央銀行<8360>(東1)、栃木銀行<8550>(東1)、三十三フィナンシャルグループ<7322>(東1)、筑波銀行<8338>(東1)に注目したい。SBIホールディングスを軸の地銀連合に参加の島根銀行<7150>(東1)、筑邦銀行<8398>(福証)、福島銀行<8562>(東1)、清水銀行<8364>(東1)、大東銀行<8563>(東1)も外せない。

■業績即効性では証券株の第2四半期動向に先取り余地

 証券株は、今3月期第1四半期(2020年4月~6月期、1Q)に業績が、大きく高変化した業種の一つである。相場が、コロナショックで急落した年初来安値からV字回復し、このときにテレワーク中の巣ごもり投資家が、大挙して新型コロナウイルスの防疫関連株やリモートワーク関連株、巣ごもり消費関連株、折からの新規株式公開(IPO)株に買い出動、売買手数料が急増し業績への即効性を発揮した結果である。そればかりか働き方改革のテレワークや巣ごもり消費の景気下支え効果への認知度を高めた。今回も、「スガノミクス相場」への期待のほか、IPOも半月ぶりに再開されるスケジュールになっており、業績期待を高めることになる。

 1Qに業績が高変化した大和証券グループ本社<8601>(東1)、野村ホールディングス<8604>(東1)、丸三証券<8613>(東1)、東海東京フィナンシャル・ホールディングス<8616>(東1)、光世証券<8617>(東1)、水戸証券<8622>(東1)、松井証券<8628>(東1)、日本取引所グループ<8697>(東1)、岩井コスモホールディングス<8707>(東1)、藍澤証券<8708>(東1)などをマークするところだろう。

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