【注目銘柄】HPCシステムズは6月の上場来高値を目指す、21年6月期増収増益予想

注目銘柄

HPCシステムズ<6597>(東マ)はハイパフォーマンスコンピューティング分野のニッチトップ企業である。21年6月期増収増益予想である。競争優位性を活かして市場開拓を推進する方針だ。収益拡大を期待したい。株価は8月の直近安値圏から反発して水準を切り上げている。6月の上場来高値を目指す展開を期待したい。

■ハイパフォーマンスコンピューティング分野のニッチトップ企業

 ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)分野のニッチトップ企業で、科学技術研究開発のプラットフォーマーを目指している。20年4月にはアズワン<7476>と資本業務提携した。

 量子化学計算・分子動力学計算に強みを持ち、科学技術計算用高性能コンピュータに関連するシステムインテグレーションのHPC事業と、顧客企業の注文仕様に応じて産業用コンピュータを開発・製造するCTO事業を展開している。

 HPC事業では、大学研究室や公的研究機関からの受注を確保しつつ、民間企業の研究所・R&Dセンターなどで実施されている大規模・高精度な科学技術計算向け高性能計算機の拡販を強化している。

 CTO事業では、半導体検査装置、医療装置、アミューズメント機器向け既存顧客の受注継続に加えて、画像処理、ディープラーニング、スマートファクトリーなどを戦略分野として新規顧客獲得に注力している。

 20年4月には、ABINIT-MPフラグメント分子軌道(FMO)計算ソフトウェアを用いた新型コロナウイルス関連タンパク質に対する相互作用解析等を、スーパーコンピュータ「富岳」に実装できるようにプログラムの移植、開発および最適化、性能評価の研究開発支援を開始した。

 20年9月には、ライフコーポレーション<8194>の「ライフ」各店舗の業務用タブレット端末として、自社開発の堅牢かつ高性能なタブレット端末(EDGE-PAD104C)が採用された。またデータアセットマネジメント事業を展開するAOSデータと、データ喪失時の復旧サービス(サルベージ)事業で業務提携した。

 なお10月2日にはアズワンとの資本業務提携に基づく協業活動の進捗として、アズワンが運営するWEBショップ「AXEL」において、当社製品・サービスの販売を開始したと発表している。

■21年6月期増収増益予想

 21年6月期業績(非連結)予想は、売上高が20年6月期比10.1%増の52億円、営業利益が5.7%増の5億05百万円、経常利益が6.4%増の4億95百万円、純利益が7.3%増の3億30百万円としている。

 期前半は新型コロナウイルスによる企業活動の停滞、意思決定の遅れ、投資意欲減退などを想定しているが、HPC事業では計算化学に特化したクラウドサービスの提供、計算化学分野のソフトウェア開発、販売の強化、システム販売における新しいシステムインテグレーションの導入、CTO事業では画像処理など戦略分野における新たな付加価値提供などを推進し、業績向上を図るとしている。

 技術力と営業力を軸とした競争優位性を活かして市場開拓を推進する方針だ。収益拡大を期待したい。

■株価は6月の上場来高値を目指す

 株価は8月の直近安値圏から反発して水準を切り上げている。自律調整を交えながら6月の上場来高値を目指す展開を期待したい。10月6日の終値は2785円、時価総額は約117億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AI機能強化でさらに便利に!Siriの進化とChatGPT統合で作業効率向上  Appleは3月…
  2. ■ChatGPT Enterpriseを活用し、業務効率化と新たな価値創造を推進  ふくおかフィナ…
  3. ■2024年度の美容室倒産件数、前年を大幅に上回る197件  帝国データバンクの調査によると、20…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■スタンレー電気など年初来安値銘柄の業績見通しに焦点  日経平均株価が4月に大幅下落する中、年初来…
  2. ■トランプ劇場、急転換の舞台裏!米中摩擦、FRB人事…予測不能な変幻自在  「クルマは急に止まれな…
  3. ■5大商社決算発表を前に高まる投資家の期待感  世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェットが日本の…
  4. ■「市場の反乱」の一段落で「市場の勝利」を期待しバフェット流に商社株にバリュー株投資も一考余地  …
  5. ■株価55%高もまだ割安!?記念優待利回り10%超の注目株  10日には米国の関税発動停止を受け、…
  6. ■一喜一憂の投資家心理、トランプ関税「一時停止」の罠  まずフェイクニュースかと目と耳を疑った。次…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る